くら寿司、客数減で一人負け。回転寿司の明暗を分けた「魔のGW」

 

一方、競合の大手回転ずしチェーンは5月に充実した施策を打ち出しています。

スシローは4月25日からゴールデンウィークに向けて、なくなり次第終了の肉すしを集めた「にく寿司フェア」を開催し、「熟成牛炙りサーロイン」や「熟成牛上カルビ」などのすしを販売しました。5月23日からは夏季限定で、トマトとバジルソースを載せた「生サーモン トマトバジル」や「生ハム トマトバジル」などのすしを売り出したほか、「ぶっかけカレーうどん」や「練乳かき氷パフェ」を販売しています。

ゼンショーホールディングス傘下のはま寿司は4月26日から「博多とんこつラーメン」を販売したほか、同日から5月9日まで「豪華!春のトクねた祭り」を開催し、「中とろ」や「赤貝」などのすしを売り出しました。また、10日からは「特選とろ祭り」を実施し、「びんちょう鮪大とろ」や「炙り虹ずわい」などのすしを販売したほか、24日からは「生本ずわいと初夏の特上撰」を開催し、「生本ずわいがに」や「特盛り!炙りとろサーモン」などのすしを売り出しています。

かっぱ寿司は4月27日から「かっぱのハンバーグ」を販売したほか、5月9日からは「白いスープカレーラーメン」を売り出しました。また、同日から期間限定で「国産生サーモンと極上ネタ祭り」を開催し、「国産 生サーモン」などのすしを販売したほか、27日までは「天然 本鮪中とろ」などのすしを販売し、28日からは「極上生うに」などのすしを売り出しています。

スシローとはま寿司かっぱ寿司の5月の施策は充実していたといえるでしょう。そのため、集客に成功したと考えられます。

くら寿司は5月の客数が5.7%減となり集客に失敗しました。これが一時的なものであればいいのですが、そうではない可能性もあります。17年11月~18年4月の客数が前年同期比で2.3%減っているためです。また、16年11月~17年10月は1.6%減となっています。客離れが止まらない状況にあります。

kurazushi

一方、スシローは客足が回復しています。16年10月~17年9月の客数が1.3%減と苦戦したものの、17年10月~18年3月は前年同期とほぼ同じとなり、4月は0.2%増、5月が3.5%増となっています。

かっぱ寿司は客離れに歯止めがかかりつつあります。先述したとおり17年4月~18年3月の客数が7.8%減と大幅な減少だった一方、3月が3.0%減にとどまったほか、4月が5.6%減、5月が3.8%減となっており、マイナスが続いているものの、最近の減少幅は縮小しています。

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