幸福を選択したがゆえの「少子化」。2020年にはどうなるのか?
寿命は延びているし、子供の数は減っているので、世界の人口はまだ増えていますが、それでも「急激な増加」の時代が1990年代には終わり、現在では「緩やかな人口増加」の時代といえます。食料生産技術があがり、石油などのエネルギーの枯渇の恐れがなくなったことから、人口が増えて食料が不足することはなくなり、世界の国が発展するにつれて出生率が減って、世界人口の増加が抑えられるというのが普通の予想になってきました。
つまり、これまでは
「人口が増加し」→「食料が不足し」→「餓死が増え」→「戦争が起こる」
というシナリオが考えられていましたが、そうではなく各国ともに人口が増えなくなり、むしろ
「老人が増えて活力がなくなる、医療費が増える、年金が減って社会不安が増える」
という方向になると予想されています。
世界の傾向はこんな感じなのですが、その中でひときわ目立つのが日本です。なにせ、日本という国は何をやっても変化が激しく、歴史的にも、飛鳥時代に仏教が入ってきたらたちまち仏教国になり、教えてくれた中国を抜いてしまう、明治維新ではヨーロッパの文化や科学を瞬く間に吸収して近代的な大国になる、さらに戦争に負けて焼け野原になったのに、急速に経済成長して30年後には世界で一番になる…などと良い面でも悪い面でも、ともかく世界一速いのが得意技なのです。
「少子高齢化」もその通りで、たとえば、寿命も見ると、戦後すぐの1950年における日本の女性の平均寿命は62歳。その時ドイツやオランダなどのヨーロッパの女性は72歳ぐらいでしたから10年ほど日本の女性のほうが寿命が短かったのです。ところが、それから30年たつと日本の女性はヨーロッパの国の女性の平均寿命をゴボウ抜きし、今では88歳と、ヨーロッパの国の女性の82歳をはるかに超えています。
平均寿命がどんどん上がり、離婚が増え、子供を産まなくなるのですから、急速な高齢化は仕方ありません。でも、それは個別の女性がそれぞれ「幸福になろう」として選択した結果ですから、尊重しなければなりません。
よく「子育てが大変だから」と言いますが、生物は子供が本当に欲しいと思ったら、必ず産みます。その点で、ちょっと我慢したら子供を育てられるという環境でも、その気がなければ出生数は減少してしまうのです。
かくして、2020年には50歳以下の女性と50歳以上の女性の数が同じくなってしまうのですが、これは何を意味するのでしょうか? 次回以後に解説していきます。
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