売れない理由はそこじゃない。宣伝文句を変える前に考えること

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ポストには、デリバリーのチラシが「豪華な写真付き」で毎日のように入ってきます。それが「ぷりぷりの海老が乗ったピザ」だったら、食べてみたくもなるでしょう。しかし、実物が写真と似ても似つかなかったら…。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんが、チラシやキャッチコピーで伝えるべきものについて論じています。

広告・宣伝文句の意味を考える

時々、チラシや広告、WEBサイトのキャッチコピーを考えて欲しい、という相談があります。目的は、

  • 集客アップ
  • 認知促進
  • 見込み客確保

といった類のものです。気持ちは分からなくないですが、本音で言えば「そんなところに執着していても仕方がなく根本的な問題は解消されないので、いつまで経っても集客や認知促進などの悩みは尽きない」といったところです。

キャッチコピーを変えたから、広告やwebを見直したからといって、その会社、お店の抜本的な集客に関する改善にはなりません。なぜなら、こうした相談をされる方の多くが、「キャッチコピーを変えたら問い合わせの反応が良くなる」とか「キャッチコピーを変えればお客様が増える」というようなセミナーに通ってみたり、教材で学んでいたりしてその殆どの方が、そうしたテクニックにはまり、本来改善しないといけないことや見直さななければならないことを見失っているからです。

つまり、キャッチコピーの書き方どうのこうのを勉強せずともお客様は増える要素があるのにそこを完全に見失っているのです。本末転倒を地で行っている感じです。

ですので、「キャッチコピーを作りかえるとか、広告を見直すとかそんなことよりも、接客部分やメニューをまずは見直した方がいいですよ」とか「キャッチコピーなんかおいといて、スタッフが自主的に楽しんで働いてもらえるような職場環境を作ることをまずは考えましょう」とか「御社の場合、キャッチコピーを考えるより、既存の取り引き先や顧客との関係を改善、構築していく方が先決です」など、先にやらなければならない問題点を伝えても、「いやっ、中久保さん、とにかくキャッチコピーを一緒に考えてもらえれば…」とか「とにかく見込み客を集めたいので、魅力的なコピーを…」などという経営者もいます。ここまでくれば、完全に中毒です。

広告や宣伝のコピーというのは、お客様や消費者、市場に対し商品やサービス、あるいは、会社、お店の情報を伝える為の最初の訴求部分アイキャッチ)になるので確かに大切なことなのですが、そんなところばかり躍起になって、コピーをコロコロ変え、反応を見ても仕方がないのです。

そもそも「興味を持ってもらう為に、魅力的なコピーで…」という発想事態がまるっきり間違っている、っていうことにも気がつかなければなりません。そもそも「興味を持ってもらう」なんてことを考えなくても

  • お客様が当社、当店に魅力を感じているのはどの部分か?
  • どのお客様に聴けばそんなことを語ってくれるだろうか?
  • お客様に当社の魅力をもっと知ってもらうにはどんな方法があるのだろうか?
  • お客様と一番接触している営業マンは会社、仕事にどんな魅力を感じているだろうか?

という発想や思考がなければ真のPRは出来ません。というか、伝わるコピーなど出来るはずもないのです。

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