この点でかなりうまく行っているのは、サッカーだと思います。サッカーの場合は、ファンの目が厳しいこともあり、それ以前に世界レベルでの猛烈に高い水準の競争がされているわけです。ですからA代表が本当に世界と戦っていくためには、連盟や指導者が「いかに現場・現役のために動いているか」も逐一バレバレになってしまうわけです。
仮に現場よりも、自分の権力を優先するようなオフィシャルがいたら、すぐに圧倒的な批判を受けてしまうでしょう。今回の西野監督の成功は、協会の技術委員長として徹底して現場重視の仕事をしてきた延長にあるのではないかと思います。
いずれにしても、各スポーツ団体の責任者を含む運営スタッフは、もっともっと黒子に徹して、現場が世界と戦っていく上で、少しでも戦いやすいように支えていく、そのようなカルチャーを作っていかねばなりません。パワハラ体質の指導者という個人の問題に矮小化してはダメだと思います。
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