現役医師が警告。航空機内で具合が悪くなったときの「NG行動」

 

航空機内にある医療用備品

ひどい下痢で脱水症状が強い場合、経口の補助ドリンクをお勧めします。作り方は簡単です。 1リットルの水に小さじ六杯の砂糖と小さじ一杯の塩を混ぜるだけで出来上がりです急病で医学的な治療が必要な場合に備えてさまざまな医療備品が機内に備え付けられています。酸素タンク、AED、聴診器、血圧計、医療用手袋、気道確保用チューブ、心配蘇生用マスク、注射器、注射針、500ccの点滴用生理的食塩水、そして数種類の薬剤です。

主な薬剤には、アセトアミノフェン、アスピリン、アトロピン、喘息発作治療用吸入器、注射用ブドウ糖液、注射用エピネフリン、舌下用ニトログリセリン、などがあります。喘息発作やアレルギー反応が出た人のために、このような薬がほとんどの航空機で備え付けられています。

ドクターオンボードというプログラムを採用している航空会社では登録している医師がチェックインするときに搭乗前に機内の医療予備品についての情報をその登録医師に提供します。そして、急病の人が発生したときには、機内アナウンスをせずに、直接その登録医師の元へ客室乗務員が連絡に行くことになっています。

客室乗務員のほとんどは基本的心肺蘇生法の講習を受けておりAEDを使うことが出来るように訓練されています。また、パイロットは地上にいる救急専門の専任医師と緊急連絡を取ることができるようになっています。このように航空機内で急病になった人に対して、ある程度応急に対応できる備えがあります。喘息の発作等を自覚したら直ちに客室乗務員に連絡することをお勧めします。

文献

Nable JV, Tupe CL, Gehle BD, Brady WJ. In-Flight Medical Emergencies during Commercial Travel. N Engl J Med. 2015 Sep 3; 373 (10): 939-45.

image by: Shutterstock.com

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