角田陽一郎さん「人類の究極の敵は“面倒臭い”だと思うんです」

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「バラエティプロデューサー」という肩書きで、様々なメディアビジネスのプロデュースを手がける角田陽一郎さん。今年6月に出版された「運の技術AI時代を生きる僕たちに必要なたった1つの武器」をはじめ、「『好きなことだけやって生きていく』という提案」などの著述業や、フェスやイベントの主催、ラジオMCなどマルチに活躍中だ。「新月」「満月」のサイクルで発行される『角田陽一郎のメルマガDIVERSE』も、多方面に視界が開け、アイデアが湧き出る角田さんらしさが詰まっている。メルマガを始めた経緯や、今後メルマガを介して行ってみたい“実験”など、あれこれを語ってくださいました。軽妙な話術に引き込まれつつ、ユーモアたっぷりの会話の中には、ビジネスや日々をより良くするヒントが!

領土問題からスピリチュアルまで、好きなことだけをやっていく

──本日は、よろしくお願いいたしま

角田:こちらこそよろしくお願いします。それにしても、この夏めちゃめちゃ暑いですよね。猛暑が当たり前になって、もはや「温暖化」とすら言わなくなった(笑)。僕、思うんですけど、都心でいっせいにクーラーと車の走行をやめたら、かなり気温が変わるんじゃないかなって。国民の快適な生活のためにも、「国内高速移動禁止法」を作ったらいいなって思うんですよ。

リニア中央新幹線で、長野県に駅を造る、造らないで以前揉めましたよね。どちらの言い分もわかるけど、駅ありきで話を進めようとするから違和感が生まれる。でも、例えば国内で高速移動が禁止になったら、名古屋に行くには長野で1泊しなきゃならない。江戸時代の東海道や中山道の「宿場町」みたいに。理由があれば、人はちゃんと停まるし、泊まる。そこでおのずとお金を落とすから、地域経済も活性化するのにな…とか。僕、いつもそんな奇想天外なことばっか考えてるのが好きなんですよね(笑)。

──(笑)。最近は、他にどんなことを考えましたか?

角田:領土問題とか。竹島問題とか尖閣諸島問題って、両国の言い分が平行線のままで、いったいいつになれば決着つくのかなって。荒っぽい言い方だけど、誰もがわかりやすい指標で決めればいいんじゃないと思ったり。たとえば、国土が大きい方が譲るとか。北方領土や尖閣諸島は、ロシアや中国が日本より国土が大きいから日本の領土になる。逆に、竹島は韓国に譲るといったふうに。原理原則ってそうやって誰にも等しいものであるべきだと思うんです。そういう基本的なルールを棚上げにして、いろんなことで揉めてるなって感じる。実は、そういう奇想天外な考えも新しいビジネスや生き方につながるってことを書いてみたくて、このメルマガをやろうと思いました(笑)。

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──思わぬ道筋からうまく本題へ繋がりました(笑)。闇雲に決め事を信じず、疑問を持てと?

角田:それはありますね。僕はTBSに入局してずっと番組を作ってきました。あるとき、局内のある場所で撮影したいと申請したとします。すると、その許諾を扱う施設管理部から「前例がないからダメ」と回答が来ました。作り手からすれば、前例がない初めての画だからこそインパクトがある。だから、お願いしているのにって。誰かに迷惑をかけるとか、身の危険があるって理由なら納得できる。「前例がない」って理由でダメっていうこと自体、テレビ屋としてどうなんだろうと思うし、そういうところを「つまらないな」と感じて、TBSを辞めました(笑)。

テレビに限らず、「前例がない」ために、できないことがたくさんあると感じますね。しかも、前例そのものが時代に合ってないと思うことも多くて。「選挙」の制度もその1つ。トランプが選挙に勝ってアメリカ大統領になったけど、あれってギリギリで勝利したもので、アメリカ国民の約半分はムカついてる。しかも、選挙をしたことで、意識してなかった敵意がより鮮明になり、アメリカが分断してしまった。それって逆に「民主主義っぽくないな」と。選挙って情報革命以前に生み出されたシステムで、SNSもない時代のもの。ならば、今の時代に合わせて変えたっていいのに「前例」を引きずってる。そういう既存の概念にとらわれずに考えてみることをメルマガには書きたいですね(笑)。

──広範囲かつ、深堀もするメルマガになっていきそうですね。ところで、リリースを「新月」と「満月」に設定した理由は?

角田:月に2回くらいできるかと思ったんだけど、普通なら毎月1日と15日とか、数字で区切るんだろうけど。それじゃ埋没するし、やってる僕自身が面白くない。

人って見たことないものにはすごく興味を示すけど、今の世に純粋な意味で見たことないものなんてほぼ存在しない。組み合わせで新しいものを見つけるしかないんです。たとえば、福山雅治さんは誰もが知ってる。鼻血もみんな見たことありますよね。でも、福山雅治さんが鼻血を出してるシーンとなると、きっと誰も見たことがない(笑)。そういうドラマがあれば、人は見たくなるはずなんです。

そういったレイヤーで考えて、メルマガを「新月」「満月」という、数字以外で発行するのは面白いと思った。もう1つ深いレイヤーで言うと、月の満ち欠けを気にして生活する人は少ないけど、今の情報社会って実はリンクしてるんじゃないかと思ったからなんです。人が原始から培ってきたスピリチュアルなモノって、実はむしろ現代的なんじゃないかと。

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――スピリチュアルと現代の情報化社会が結びつく?

角田:「運の技術」の帯で、川田十夢さんに一言寄せていただきましたが、そもそもこの本は2人で話していた時に閃いたもの。年初にやった「占いフェス2018 NEW YEAR」で、川田さんに登壇してもらいたいと思った。けど、(開発ユニット)AR3兄弟として活動してる人だし、「占いなんか全然信じてないんじゃないか」「むしろ嫌いなんじゃないか」と心配になり、事前にお話を伺いに行ったんですよ。そうしたら嫌いどころか、占いが大好き。その理由は、「占いは拡張現実だから」だというんです。

──占星術が仮想現実?

角田:そう。単に夜空で星が光っているだけなのに、それを繋げて星座を編み出し、さらに星座の位置で「この時期に生まれた人は**座」だと定義する、その考え方が拡張現実だと。スマホやPCがないと拡張現実は成り立たないと思う人がほとんどだけど、人類は4000年以上も前から現実を拡張しているんだと話してくれました。すごく面白い話だと思ったし、「運」をスピリチュアルなものだと思い込んでる人が多いけど、意外にテクニカルなものだと説いたら面白そうだなと思って本にしたんです。

見えない=存在しないとか、「1か0か」という発想自体が、もう古いんじゃないかと。企業は特にですが、採算を考えるからA or Bで考えがち。AもBも両方あっていいじゃん、と僕は思います。置き去りにされるものの中に、実はすごく面白いものが潜んでいたりすることもある。好きな方を自由に選べばいいんですよ(笑)。強制されるのが一番つまらない。

──好きなことだけやって生きていけ、と。その言葉に励まされる人は多いと思います。

角田:褒めてもらって恐縮ですが、僕には啓蒙的な考え方は全然ない。他人に教えたい気持ちは全然ありません(笑)。テレビも自分が面白いと思うから番組を作ってました。メルマガを書くにあたっても、最初にそれはお伝えしました。

全ての職業はある意味で「サービス業」だと思っているんですが、そうじゃない仕事をしてみたらどうだろうってちょっと思ったりしますね。人にサービスせず、自分は生きていけるのだろうかと(笑)。

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──かなり難易度が高く、壮大な実験になりそう

角田:だから面白そうと思える(笑)。僕が高校生の頃に、糸井重里さんがコピーライターという(当時、目新しかった)職業で活躍している姿をかっこいいなと思った。子どもの頃から山田洋次監督の創る映画にも憧れていました。誰かにそうしろと言われるからじゃなく、その人にしかないものを持つ人に勝手に憧れるし、人は寄ってくる。

なので僕も、ただ好きなことをやってる様を見せているに過ぎません。この8月に48歳の誕生日を迎えたので、改めて僕がしたいことってなんだろうと考えました。そうしたら、「新しいことを知りたい」という知的好奇心しかないと気がついた。美味しいものを食べたいとか、綺麗になりたいとか、もてたいとか、いろんな欲求が人にはある中で、僕は「知りたい」に尽きる。だから、高速で移動もせずにわざわざ長野に泊まり、結果が見えないような壮大な実験もするんです(笑)。

──今まさに実験中だと。メルマガをはじめてみて、気づいたこと、発見したことはありますか?

角田:「新月」と「満月」が来るのって、案外早いなと(笑)。メルマガには今の僕が思ってることをきちんと書こうと思っているので、(手間や時間もかかるため)2週間ってこんなに早いのかと驚いてます(笑)。また、意識し始めたことで、僕自身が月の満ち欠けをより身近に感じるようになりましたね。

本を書くことって、実は他人のためでなく自分のためにやってるんですよ。「7つの習慣」を書いたスティーブン・コヴィーさんも、7つの習慣を自分がやってみたいと思った目標なわけだけで、本当は実践できてないかもしれないし(笑)。書いている当の本人が、著書に一番影響を受けると僕は思いますね。「『好きなことだけやって生きていく』という提案」を書いた時もまさにそうでした。それまでは、「オトナの!」のゲストに来てくださった竹中直人さんの「仕事は断らない。来た順番に受ける」という姿勢に憧れて、僕も断りませんでした。でも、本を書いてからは好きだと思うこと、面白いと思えるものだけを続けていこうと思うようになったんです。

──最近はアーティストのプロデュースも手掛けていますが、どこに面白さを見出したのですか?

角田:僕が今手がけているmaiyoという男性アーティストは、「イカ天」の後番組で2017年に放送された「イクゼ、バンド天国!!」(BS-TBS)の出場者。すごくいい曲を作るのだけれど、CDが売れない昨今、レコード会社に所属するのも意味があるのだろうかと。ならば、自分で才能のある若者を世に送り出す新たな仕組みを作っちゃおうと。だから、アーティストへの個人的な感情移入というよりは、新しい仕組み作りへの興味が発端。

やるなら、SNSをうまく表現に結び付けたいと思っています。多くのミュージシャンは、SNSに「誰々と飲んだ」みたいな交友関係をアップするだけだったりする。けど僕は、詩とか曲とかと同じように、SNSもアーティストの表現の一部にしていきたい。海外のチャンス・ザ・ラッパーや、日本ではYouTubeで世界観を作って成功した岡崎体育さんがいるけど、まだまだ少数。

思いつきの段階ですが、maiyoのアルバム音源は毎回無料でいいかなと思ってて。仮に1万人くらいファンがついたとしたら、その中の千人くらいはきっとライブに来てくれる。とすると、アルバムを作る際に1人あたり1000円ずつクラウドファンディングで募ったら、アルバム制作費が作れちゃうんじゃないかって。投資してくれた人には、物としてのCDやグッズなどをちゃんと贈る、みたいな仕組みができたらいいなと。

──音楽のフィールド以外でも、新しい仕組み作りに挑戦している?

角田:8月1日と僕の誕生日である17日に、ホームページ上で「クリエイター開放宣言」をしましたが、そこで新しい仕組み「影響力指数【インフルエンス・インデックス】」について書きました。詳しくはそれを読んでいただくとして、僕のアイデアを推し進めるには、仮想通貨のようなものが必要だとわかってきて。それで「ピュア」というネットコインを作ろうと考えてます。

一般的な通貨は、誰が使ってもその価値は同じ。だけど、「ピュア」は使う人のセンスや作品への熱量が重要なんです。今まで「王様のブランチ」のランキングコーナーは、視聴率やや興行収入など、数字しか指標がなかった。僕はそこに「作品の温度」という新しい指標を入れてみたい。それによって、作品の質がちゃんと評価されるんじゃないかと思ってます。

メルマガ読者さんとも、「ピュア」を介してコミュニケーションが取れたらいいなと構想もしていて。たとえば、読者は無料で体験できる、とか。

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──一方向ではなく、双方向、それ以上の繋がりを持てる、立体的なメルマガの仕組みが生まれそうですね?

角田:メルマガのタイトル「DIVERSE(多元的な世界)」そのもの。ほかにもいろんなことを繋げられそうだなって期待もしてて。

例えば「運の技術」の出版イベントを北海道の書店でやろうと思ったら、「交通費やギャラが出せない」と言われたんです。でも僕はそこでやってみたかったし、「僕はバラエティプロデューサーだから交通費はいらない」と返事をしました。仮に、そのトークをメルマガで記事にすれば、結果的に採算は合うことになる。単体で考えると「儲からない」話も、AとBをつなげれば別の可能性が生まれるんです。

しかも、ノーギャラで出たらその北海道の本屋さんは、僕の次回作をちょっといい場所に置いてくれるかもしれない(笑)。または、僕が出演することに将来価値があるようになったなら、トークイベントを撮影して動画サイトで番組として流せばスポンサーがつくことも考えられる。そんな感じで繋げられるんじゃないかと。

それらをうまく続けるためにも、ちゃんと頑張らないと。僕は仕事柄、いろんなミュージシャンから相談を受けます。彼らの曲を聴くと悪くないんですよ。でも、Mr.Childrenやサザンオールスターズほど頑張ってないなと感じる、音楽業界の仕組みの難しさなどを言い訳にして。売れてる人たちは、やっぱりすごく頑張ってるんです。

乱暴な言い方だけど、人類の究極の敵って「面倒臭い」なんだと思うんです。朝起きるのもそう、仕事が終わらないのも結局はそうだなって。僕が「新月が来ちゃうよ」って怯えるのも同じ(笑)。満月が終わったらすぐ次に取り掛かっておけよって話です。僕のメルマガを読んで、人類の敵「面倒臭い」に立ち向かえるとは思わないけど、僕自身は毎回戦ってます(笑)。

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──弱さを認め、人類の敵と戦う(笑)。そんな角田さんの言葉に元気づけられる人は、やっぱり多いと思いますよ。

角田:だといいです(笑)。いろんなことに気づいて欲しいなと思って書いてるので。でも気づかなくても構わない、僕の人生じゃないから(笑)。

ただ…、かつての僕のように、サラリーマンをやってるけど現状に不満を感じて、一歩踏み出したい、独立してみたいと思っている人なんかが読むといいかもしれない。僕もその不満に対してどう対処したか、それがこの『角田陽一郎のメルマガDIVERSE』には滲み出ていると思うので。

──ありがとうございました、今後のメルマガ配信を楽しみにしております

(取材・文/橘川有子)

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