「なりきり作文」で気分をよくする
もう1つの面白い方法は「なりきり作文」である。自分がチャンピオンになりきった気分になって作文を書くのだ。例えば、こんな具合。
「今日は、水泳大会でチャンピオンになれてうれしいです。泳いでいるときはみんなの応援の声が聞こえました。毎日、1時間以上練習して、がんばったかいがありました」
ヒーローインタビューごっこの後に作文を書くと、もっと効果的だ。日記で、なりきり作文を書く手もある。私も教師時代に授業で、なりきり作文をやったが、みな喜んで書いていた。気分がいいので、書きやすいのだ。
こうしたイメージトレーニングとともに、親の言葉遣いも大事だ。親がいつも否定的な表現が多いと、子どもはいい自己イメージを持つことができない。「なんで、ちゃんと勉強しないんだ」「なんで、さっさと宿題を終えないの」と否定的表現で叱るのではなく、もっと肯定的表現で話しかけてほしい。
「この頃、書き取りの字がうまくなったね」とか、全体的にうまくなくても「この字はいいね」とか、部分でいいからほめる。肯定的表現で子どもをやる気にさせることが大事だ。肯定的に言えない場合も、「~しなさい」「~しよう」と単純命令形で話すように心掛け、否定形は使わないようにしてほしい。
初出『親力養成講座』日経BP 2010年6月10日
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