対抗手段としては、裁判等で損害賠償請求を行うくらいしかありませんが、実際にその従業員が急に退職したことによる損害を確定して請求することはかなり難しい。そのような裁判を受けてくれる弁護士さんを探すのも困難です。
ここは考え方を変えて、自ら辞めてくれたことに対して、ラッキーだと考えてください。そのような従業員が会社に残れば、必ず何か問題を起こします。トラブルメーカーとなる可能性があります。将来起こる無用のトラブルを未然に防げたと考えてください。
ただ、このような従業員に対しても、必ず、書面で退職届を提出させてください。問題社員は、退職後も問題・トラブルを持ち込みます。自ら辞めると言っておきながら、「解雇された」などと言い出す労働者もいます。もちろん、金銭目当てです。そのようなトラブルを防ぐためにも、必ず、退職届を書面で提出させることを忘れないでください。
ちなみに、退職時に残っている有休について、取得を申請してきた場合には、認めなければ労基法違反となります。この場合、使用者の時季変更権は使えません。このような事態に備えて、常日頃から有休取得を促し、退職時にまとめて取られないようにすべきでしょう。退職時に30日、40日とまとめて取得されれば、会社にとってはかなりの負担となります。そのようなリスクを分散するためにも、普段から有給を取れるようにしていくことが大切です。
以上を踏まえて、改めてお聞きします。
「御社では、退職の際に退職届の提出を義務付けていますか?」
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