では、時間管理において、これを防ぐ方法はあるのでしょうか。すべきことを見落としているのが原因であれば、より詳細な予測に基づき、あらゆることを想定して計画すればよいとも思えますが、おそらくこれは無理。
それよりもむしろ「計画錯誤は避けられない」ことを前提に管理を行うことが必要です。具体的には、単純に期限を伸ばすことが考えられます。工程のスケジュールを組んだ後、一定の割合の日数をプラスするのです。上の実験のような計画錯誤に関する統計や、自分自身の過去の経験などから、妥当な割合を決めます。
また、全体の期間にプラスするのではなく、スケジュール上の工程それぞれに、空白の時間を入れ込んでいく、という方法もあります。工程ごとに作業が遅れているか、あるいは早まっているか、進捗具合が確認しやすい方法といえます。
もうひとつ、これは最初の方法の応用の考え方ですが、本来の期限から一定割合の日数を差し引いた日に自分の中で期限を設定し、各工程をスケジュールする方法もあります。スケジュール通り仕事を進めれば、遅れが出たとしても期限通りに終了するという考えです。
時間管理の作業では、無駄なものを捨て、すべきことを限定し、時間軸にきっちりあてはめていきます。その作業を精緻にやればやるほど、計画錯誤のリスクが高まります。だからこそ、計画錯誤の存在を意識して、とくに対策する必要があるのです。
仕事で計画錯誤がない人は、…ゴルゴ13くらいではないでしょうか。
今回は、ここまでです。
image by: Shutterstock.com
ページ: 1 2