A君への懲戒は数ヶ月に及んだ
A君はこの「1人席」懲罰をおよそ2ヶ月間受け続けていた。この間、休み時間なども他のクラスメイトと話すことや遊ぶことも禁じられ、班活動などでの学習においては、班に参加できないなど授業に支障をきたすような指導も行われた。特に、給食については壁を向いて食べるように強要されていた。
そして、他のクラスメイトに対し、担任である男性教諭は、忘れ物や授業に集中しないということがあれば、A君のように1人席にすると発言していた。これは、いわゆる「生贄手法」であり、1人の生贄を徹底的にいじめ抜くことで、クラスの統制を行おうというものである。
こうした生贄手法は大なり小なり不適切な指導として行われやすいが、2ヶ月にもわたり、これを続けていたというのは、一種の虐待を行なったとも言えよう。
保護者が教室に行くとすぐに1人席は解除された
A君の様子がおかしいということで保護者がA君から1人席の内容を聞き、忘れ物を届けに行くという理由で教室の様子を見に行くと、担任教諭は慌てた様子で教室から飛び出し、しどろもどろになっていたが、この後、急遽、1人席制度は撤廃された。
仮に、これが教育的指導の範疇で行われたものであれば、保護者に知られようが1人席制度は継続したであろうが、当の担任教諭もこれが行き過ぎた指導であり、A君が精神的に厳しい状態になっていることを十分に把握していた。
二転三転する学校側の主張
もはや体罰関連行為の中にある不適切な行為には少なからず当たる不適切指導を担任教諭がしてしまったのだから、言い逃れる術はないと腹を括るべきであろうが、この学校は被害当事者であるA君やその友人らの証言に反して、わずかな日数のズレがある主張にこだわったり、特に学校長は当初は謝罪もなく、適切な指導の範疇であろうという見解を示していた。
あるはずのない7班や8班が実際に運用され、それが1人活動を意味することなどが明らかになっていくに従い、学校長は行為自体は認めず、「そういう風に思わせてしまって申し訳ない」という論調に変化するが、肝心な部分は一切認めない姿勢を貫いている。
一方で、友人らからの証言に対抗するために、この学校では学校側に有利な証言を集めている。ただし、これは「忘れ物をしたのだから、1人席になって当然」という主張から抜け出せず、結局、1人席の存在は認めるに留まっている。
さらに、類似体罰行為の当事者である担任教諭は逃げ回って謝罪の謝の字もない。なんども行われる話し合いには参加せず、プール学習の指導を優先させて、この件については逃げの一手となっている。









