中身ない会見を繰り返す「加計学園」の梯子がなかなか外されぬ訳

arata20181015
 

10月7日に会見を開いた加計学園理事長。補助金予算を握る「愛媛県へ虚偽報告疑惑の釈明」が期待される中今度こそ説明責任は果たされたのでしょうか。以前より「モリカケ問題」を追及し続けている元全国紙社会部記者の新 恭さんは、自身のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』で、今回の会見も「逃げ」の姿勢が目立ち、愛媛県の会見要請文書までを狡猾に利用する異様さを指摘し、深層究明に挑んでいます。

愛媛県の説明要請決議を歪曲利用した加計理事長会見

言葉をどんなに取り繕っても映像はごまかせない。7日、今治市の岡山理科大獣医学部。このキャンパスでようやく記者会見した加計学園理事長加計孝太郎氏は「説明」ではなく「逃げに終始した。

愛媛県議会が7月11日に決議した同学園への説明要請に応じた会見だという。県からの補助金を断たれたら、ただでさえ経営難の学園が立ちゆかない。

今年6月、岡山の記者クラブだけに声をかけた、たった25分のやりましたよ会見を唯一の例外として、徹底的に報道陣から逃げまわってきた加計理事長。安倍首相をして「腹心の友」と言わしめたその人の心を動揺させたのは、補助金予算を握る愛媛県の強い姿勢だった。

県議会の決議文にはこう書いてある。

加計学園から県への虚偽報告についての謝罪や理事長の記者会見が行われたものの、未だに混迷した状況が続いていることは誠に残念である。…学園自らが、疑念を晴らすための説明を尽くすことが最も大切であり、将来にわたり透明性のある組織風土を構築することが必要不可欠である。

問題にしているのは「県への虚偽報告」を中心とした疑惑に学園が説明を尽くしていないという点だ。

「県への虚偽報告」を簡単におさらいしておこう。

愛媛県が今年5月に参議院に提出した文書には、2015年2月25日に加計孝太郎理事長が安倍首相と面談したさい、獣医学部新設計画を説明、安倍首相が「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とコメントしたことが記されていた。昨年1月20日まで加計学園の獣医学部新設計画を知らなかったとする安倍首相の答弁と食い違う

この報告をした学園の渡辺良人事務局長(学園常務理事)は、理事長と首相の面談は自分の作り話であったとして愛媛県に謝罪した。

6月に初めて会見したさい、加計理事長は、渡辺氏がウソをついたとは言わず、「ことを先に進めようとしたようだ」と、ごまかした。そして安倍首相との会談については「3年前のことなので記憶にもないし、記録にもない」と曖昧な否定の仕方をした。

これでは疑念が晴れたとは言えず、愛媛県民からの批判も強まったため、県議会が動いたのだ。

県議会の要請決議に応じて記者会見を開かざるを得なくなった加計理事長は当然どう切り抜けるかを考えただろう。

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