【書評】2040年までに発生?東日本大震災を上回る巨大地震の確率

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自然災害の恐ろしさを感じる昨今、専門家は東海、東南海、南海の3箇所でM9クラスという超巨大な連動型地震が2030年代にかならず起こると予測しています。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』では、京都大学教授の著書を編集長の柴田忠男さんがレビューし、「想定外は許されない」と警鐘を鳴らしています。

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次に来る自然災害 地震・噴火・異常気象
鎌田浩毅・著 PHP研究所

鎌田浩毅『次に来る自然災害 地震・噴火・異常気象』を読んだ。著者は京都大学教授専門は火山学地球変動学など。2012年のPHP新書だが、その後、広島市土砂災害、御嶽山噴火、熊本地震、大分県中部地震、大阪北部地震、北海道胆振東部地震、西日本豪雨、猛暑、台風、豪雪などがすでに発生している。

だが、これから後に起こるのは、太平洋沖で発生するM8クラスの東日本大震災の「余震」、首都圏直撃の恐れのある「直下型地震」、富士山も含めた「活火山の噴火」、300年に一度の3連動地震による「西日本大震災」の4つだという。日本列島は3.11が契機で地震が頻繁に起る「大地変動の時代に入った。著者が最も心配しているのは、西日本の太平洋沿岸で起きる巨大地震だ。

地震の発生には周期性があり、東海、東南海、南海の3つが同時発生するM9級の連動型地震という最悪のシナリオが予測されている。東日本大震災を上回る「西日本大震災」が新たに起きる懸念がある。正確な予測は不可能だが、著者は2040年までに連動型地震が確実に起きると考えている。3.11以後の日本人にはもはや「想定外」は許されない。予想される4つの災害に備えよ。

認めたくない事実があるという。約100年おきに発生する巨大地震のうち3回に1回は超弩級である。1361年の正平地震、1707年の宝永地震が超弩級だった。次回、日本の西半分を襲う巨大地震はこれにあたる。なにしろ、東海、東南海、南海の3つが同時発生するという「連動型地震」という最悪のシナリオが懸念されているのだ。最近の研究ではM9クラスの超巨大地震だという。

M(マグニチュード)は数値が1増えると、放出されるエネルギーは約30倍に増える。エネルギーでいえば、M8.7とM9は倍ほど違う。内閣府中央防災会議は、M9クラスの超巨大地震がくれば、約2万5,000人の犠牲者数と約81兆円もの経済被害を予想している。3連動地震が発生したら日本経済は破綻するかもしれない。

南海トラフで起きる巨大地震の連動(名古屋沖→静岡沖→四国沖)は、東日本大震災が誘発するものでなく、まったく独立に起きる。南海トラフ上のスケジュールに則って、2030年代に必ず起きると専門家は予測している。「西日本大震災」は避けられないと覚悟を決めた上で、できるだけ着実に準備をすべきだ。

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