文部科学省が実施している「体力・運動能力調査」によると、65歳以上の運動能力は調査が始まった1998年以来、一貫して上がり続けているそうです。そんな元気いっぱいのお年寄りは、みんなエネルギーを持て余しており、中には「キレる老人」化してしまう方もいます。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、そんなオトシヨリへの対処法を紹介しています。
困ったちゃんには役割を
さて、本日は困ったちゃんのお話。
昨今ニュースを賑わすようになったのが
- キレるオトシヨリ
です。毎日いくつか見聞しますよね、こんな感じ。
- コンビニで店員に暴言
- バス内で多数の席を占領
- ポイ捨てを注意されて逆上
- ベビーカーを蹴る
…いや、信じ難いほどの暴力ぶりです。これをやったのが、オトシヨリだという点で驚いてしまうんですが、それは
- オトシヨリとは穏やかなもの
という思い込みを私が持っているからなんでしょう。いや、私だけじゃないので「キレるオトシヨリ」というネーミングがつけられるんですね。
このキレやすいオトシヨリ出現の背景は、いろいろ分析されています。ひとつの要因は
- 気力や体力がある
ことです。彼らの親たちが老齢だったころに比べるとね。つまり、
- 若い
んですよね。かつてのオトシヨリよりも、気持ちでも身体でも若さを保っているんです。それは近親の中にいるオトシヨリを見ていても実感しますね。
- ちゃんと歩ける
- 食欲が旺盛
- 旅行に出かける
- よくしゃべる
みなさんがご存じのオトシヨリもこんな感じじゃないでしょうか。30年くらい前のオトシヨリよりもずっと若い感じですよね。
ところが、30年前とは逆に
- お金も居場所もない
んです。気持ちも身体も若いわけですから、本人としては現役世代のつもりで
- まだまだ働ける
- 出来ることがたくさんある
- 他人の世話をしてやれる
と思っているんです。
ところが、現実の社会はそうなっていません。年金支給額は下がってきていますし、働こうと思っても就職口がたくさんあるわけでもないですから。お金がナイ以上出来ることにも限界があり、またお金を稼げないということは社会との接点、すなわち社会から頼りにされている感がナイんです。
ヤル気でゲンキなのに、チカラを発揮する場所はなくチカラの源泉たるお金もない。うん、これは確かに辛いですよね。
これらが重なると、だんだん屈折してくるんでしょう。社会の中心でなくなったことを実感させられるのに他者に必要とされ役に立ちたい気持ちはまだまだある。
そう、いわば
- かまってほしい…
らしいんです。その気持ちの表れが暴力と暴言になるって、変化球すぎて理解しがたい気がしますが( ̄∇ ̄)。