マイノリティーの反乱
票数や議席数以上に重要なのは、この民主党の巻き返しを下から突き上げた社会的なパワーの質である。それは一言で言って、トランプが一人前の米国人と認めてこなかったマイノリティー、すなわち女性、黒人はじめ少数民族、異教徒、移民、性的少数者、若者などで、彼らの怒りが1つの反乱となって燃え上がったのである。
象徴的なのは、「ニューヨーク州14区」で当選したオカシオ=コルテスで、プエルトリコ出身の母親とサウスブロンクス生まれの父親を持つ28歳の女性、下院議員として史上最年少である。ボストン大学で経済と国際関係を学んだが、小商売を営んでいた父親が亡くなったため、卒業後はブロンクスに戻り、レストランのウェートレスやバーテンダーなどをしながら、12年には子どもたちの教育を目的とした出版社を立ち上げるなど社会活動に取り組んできた。16年の大統領選挙ではバーニー・サンダース上院議員の選挙スタッフとして働き、従って今も「米民主社会主義者(DSA)」のメンバーである。
先住民女性の下院議員も初めて誕生した。しかも2人である。「カンザス州3区」のシャリス・デイビッズは、38歳の元格闘技選手で、レスビアン。LGBTであることを公にしている連邦議会議員の当選は初めてである。もう1人は「ニューメキシコ州1区」のデブラ・ハーランド、57歳で、プエブロ族出身の母親とノルウェー系米国人の父親を持つ。12年のオバマ選挙陣営に参加し、後に同州の民主党議長にも選ばれている。
イスラム教徒の女性下院議員も初めて誕生した。しかも2人。これまでにイスラム教徒の下院議員は男性が2人いるが、女性は初めて。「ミネソタ州5区」で圧倒的な得票で当選したイルハン・オマルは、ソマリア生まれの37歳。8歳の時に両親と共に母国の内戦から逃れ、ケニアの難民キャンプで4年間を過ごした後、1997年にミネソタ州に移住した。16年から同州下院議員を務めていた。もう1人は「ミシガン13区」のラシダ・タリーブ、42歳。パレスチナから移民してデトロイトで労働者として働いた両親から生まれ、法律を学んだ後、ミシガン州下院議員となった。
以上の5人のうちコルテスとタリーブは、マイケル・ムーア監督の新作『華氏119』で取り上げられ、立候補することになった経緯や選挙活動の様子などが描かれているらしい。









