絶好調ドンキが経営不振の老舗ユニーをあえて買収した本当の理由

 

ユニーファミリーマート側の思惑は?

では、ユニー・ファミリーマート側の方は、何をメリットに感じているのであろうか。

市場を見てみると、圧倒的な売上と店舗数を誇るイオンと、セブン&アイホールディングスの存在がある。さらに、GMSの業態を取っているユニーは苦戦の連続だ。私の自宅の近くにも、アピタがあるが、やはり混んでいるのは生鮮食品売り場と、フードコートだけといった印象が強い。3階建ての2、3階においては各テナントも、ほとんど「ガラン」としている印象が強い。

GMSの不振は、ユニー・ファミリーマートのみではなく、イオンやヨーカドーなども同様だ。それも、大規模出店法の施行以来、数が増えてきたGMSもそれぞれ画一化も進み、どこのGMSも同じようなターゲット層を狙うことで、独自性がかなり薄れてきている。イオンは、どこのイオンにいっても、テナントも、売っている商品もかわい映えがしない、そしてそれはGMS同士でも同じことなのだ。その点、ドン・キホーテはかなり独自性が強い販売手法で独自性の強い商品ラインアップをそろえている。

また、イオンやセブン&アイホールディングスが持ち合わせていない、ディスカウントストアという業態が加わったことも、グループとしては大きい。実際に、イオンやセブン&アイはこの業態を持ち合わせておらず、来店する消費者側から見ると、「同じ食品を買いに行くなら、今日はドンキのあるアピタへ」という選ばれ方になるのだ。

もちろん、上記に加えて、顧客データの統合による相乗効果が見込まれる。コンビニのファミマからドンキへ、またその逆という相互送客も見込まれるし、ポイント制なども合算できることになれば、よりグループとしての相互効果が見込まれるであろう。

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