カナダ当局に逮捕されたファーウェイCFOの孟晩舟氏が、8通以上のパスポートを所持しており、そのうち2通が別人名義のものであったとの報道が注目されています。この事実、いったい何を表しているのでしょうか。国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で真実に迫っています。
ファーウェイCFOは中国のスパイ?
ファーウェイのCFO(創業者の娘)がカナダで逮捕された件。その理由については、
● 中国激怒。ファーウェイ孟晩舟CFOがいま逮捕された本当の意味
をご一読ください。今回は続報です。簡単にその後、何が起こったのか触れておきましょう。まず、中国は、カナダを脅しました。
「重大な結果招く」中国、CFO即時釈放を要求
読売新聞 12/9(日)10:42配信
【北京=竹内誠一郎】中国外務省の楽玉成次官は8日、カナダのマッカラム駐中国大使を呼び出し、カナダ当局によるファーウェイの孟晩舟(モンワンジョウ)CFOの拘束について強く抗議した。楽氏は孟氏の即時釈放を求め、「さもなければ重大な結果を招くことになり、カナダ側はそのすべての責任を負うことになる」と警告した。
怖いですね。こういう場合中国が口だけでないこと、私たちも「中国漁船衝突事件」(2010年)で知っています。あの時は、「レアアース禁輸」などなど、さまざまな制裁をやられました(100%むこうが悪いにも関わら…)。
そして、中国は、報復したのです。どんな?
中国がカナダ元外交官拘束、CFO拘束の報復か
読売新聞 12/12(水)0:15配信
【北京=中川孝之】ロイター通信は11日、カナダの元外交官が中国で身柄を拘束されたと報じた。中国の通信機器大手「華為技術」(ファーウェイ)の孟晩舟(モンワンジョウ)最高財務責任者(CFO)(46)が今月1日にカナダで拘束された後に起きたという。孟氏の拘束との関連は不明としているが、中国によるカナダへの報復との見方も出ている。拘束されたのは、民間の研究機関「国際危機グループ(ICG)」(本部・ブリュッセル)で北東アジアのアドバイザーを務めるマイケル・コブリグ氏で、外交官として北京や香港での勤務経験があった。
まさに、「目には目を、歯には歯を」ですね。哀れなのは、コブリグさんです。このせいなのかどうかはわかりませんが、カナダは孟さんを保釈しました。
カナダの裁判所は11日、逮捕されていたファーウェイの孟晩舟副会長の保釈を認めました。孟容疑者に犯罪歴がないこと、健康面に不安を抱えていることなどが理由で、約8億5,000万円相当の保釈金の支払いを命じたほか、24時間、追跡可能なGPS装置を足首に装着することを保釈の条件としました。孟容疑者は11日夕方、バンクーバーにある自宅に戻りました。
(テレ朝ニュース 12月12日)
足首にGPS装置をつけられているのですね。逃げることはできません。ここまでが続報です。流れは、
- 12月1日 孟さんが逮捕された
- 12月8日 中国外務省、カナダを脅迫
- 12月11日 カナダの元外交官が中国で拘束されたと、ロイターが報じる(実際に拘束された日は不明)
- 12月11日、カナダ、孟さんの保釈を決定
となっています。これからどうなっていくのか注目ですね。