年末の強い味方。科学者が大掃除に「過炭酸ナトリウム」を使う訳

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年末といえば大掃除。重曹やクエン酸などの効用は皆さんよくご存知だと思いますが…、今回の無料メルマガ『アリエナイ科学メルマ』では、著者で科学者のくられさんオススメの「過炭酸ナトリウム」を使った掃除方法が紹介されています。

過炭酸ナトリウムというお掃除仲間

ホームセンターの重曹やクエン酸が売られているところにしれっと置いてあることがある「過炭酸ナトリウム」。Na2CH3O6というめちゃんこ変な組成式で炭素とナトリウムでむりやり酸素を閉じ込めたみたいな薬剤です。水と反応して過酸化水素と炭酸ナトリウムに分解し、過酸化水素は反応性は高いものの、水と酸素に分解されるため環境汚染性が低いとされています。別に塩素系が環境汚染的というわけではないのですが…。

とはいえ、水に触れた際の反応は結構強力に発泡し、炭酸ナトリウムというそれなりにアルカリ性が強い水滴が大量に飛び散るので手袋などは絶対に必須で目に入らないように気をつける必要のある薬品です。その辺は強めのお掃除洗剤と同じ感覚で良いでしょう。

これが汚れ落としにメチャ最強で、なかなか取れないシミや、襟元の黄ばみなどは、粉を振りかけてよく浸透させてからそこに水を少量つけてもんでから濯ぐことで強力に脱脂脱色が可能です。

つけ置き洗いにも強力で、洗濯槽用の洗剤として売られているものも、液体のものと粉のものが売られていますが、洗浄力は圧倒的に粉のタイプです。

主成分は過炭酸ナトリウムなので、洗濯槽に100gくらい、特に水が循環する洗濯ネットなどにつながるゴミ取り用の穴とかブラシの届かないところに粉を先に流し込んでから、洗濯槽の「洗浄モードなどで洗濯槽を洗うと非常にきれいになります。

また風呂場のぬめりや湯垢なども落としやすく少し湿らせたところに粉をまぶしていきしばらく発泡させたところで擦り洗いすればかなり汚れが落ちやすくなります。また、湯船自体に、お風呂用品を沈めて上から数百gでも流し込んでつけ置き洗いすれば、半日もすれば新品のようなピカピカになります。

油の分解にも強いため、鍋の焦げ付きや換気扇の分解掃除などにも効果を発揮するので是非とも活用してみてください。

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シリーズ15万部以上の不謹慎理系書「アリエナイ理科ノ教科書」著者。別名義で「本当にコワい? 食べものの正体」「薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬 」などを上梓。学術誌から成人誌面という極めて広い媒体で連載多数。

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【著者】 くられ 【発行周期】 週刊

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