海外も呆れ顔。働き手不足解消のために日本ができる「簡単な政策」

 

まず最初に「Working Better with Age: Japan」には、「高齢者」に関することだけではなく、「25~54歳の女性の就労率の低さ」「非正規雇用と正規雇用の賃金格差」「非正規雇用と正規雇用の訓練機会格差」「定年後の非正規雇用率の高さ」にも言及しています。

提言の根幹にあるのは「超高齢化と労働力人口の減少」です。

日本の従属人口指数はOECD加盟国中最も高く、2020年には成人人口の10人に8人が40代以上、10人に6人が50代以上、2050年には10人に8人が65歳以上になると予測されています。

「従属人口指数」とは、働き手である生産年齢人口(15歳から64歳)100人が、働き手でない年少者(0歳から14歳)と高齢者(65歳以上)を何人支えているかを示す比率のことです。「騎馬戦型から肩車型へ」などのたとえも、従属人口指数に基づいています。

超高齢化にまっしぐらの日本では、現役世代の負担増が懸念されているわけですが、日本の高齢者の労働力率は世界的にも極めて高いのです。ところがその多くは非正規雇用で賃金が低く高齢者のスキルや知恵が生かされていないと報告書では指摘。

さらに、働き盛りの女性(25~54歳)の労働力率は78%弱で、OECD諸国の水準を下回っています。出産や育児で辞めてしまう日本の“M字カーブ”は世界的にも珍しい現象ですが、報告書が問題視したのは、復職後の働き方」です。

子供を持つ女性の大多数は非正規雇用、とりわけシングルマザーではパートタイムが際立って多くなっています。

拙著『残念な職場』でも指摘しましたが、日本の「働く人の質は世界トップレベル(OECDの「国際成人力調査:PIAAC)」より)。しかしながら、女性の多くの大卒労働者が、大卒から想定されるよりも低いレべルの能力でできる仕事に従事していることがわかっています。

それだけではありません。職種を「スキルド・ワーカー(管理職、専門職、技術者・準専門職」「セミスキルド・ホワイトカラー(事務職、サービス及び販売従事者)」「セミスキルド・ブルーカラー(農業、林業及び漁業従事者、技能工及び関連職務の従事者、定置装置及び機械の運転作業者・組立工)」「単純作業の従事者」の4カテゴリーに分け比較すると、ほとんどのOECD諸国では順に習熟度が下がっているのですが、日本では各々の差が極めて小さいことがわかりました。

カテゴリー間の差が小さい場合、教育訓練の効果が高くなることが期待できます。労働者一人当たりの生産性を高めるには、教育に投資すればいいのです。

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