中国の嘘がバレた2018年。「中華復興」はまたも悲劇で終わるのか

 

米中貿易経済戦争から中国の未来を読む

アメリカのトランプ大統領の登場は、日本のマスメディアにとって予想外のことでした。トランプ氏の大統領当選後、トランプ氏の家族と中国との関係を取り上げる記事など、ゴシップが多く流されました。また、商売人であるトランプ大統領のもと米中関係が密接となり、日本は置いてけぼりを食らうと予想する言論人も少なくありませんでした。

しかしトランプ大統領は国家による補助金を受けて国際的競争力を高めている中国国営企業の貿易や企業買収を不公正だとし、アメリカへの輸入産品に次々と報復関税をかけ、中国に対して貿易戦争を仕掛けました。もともと暴言や突然の方針転換などが話題になっていたトランプ大統領ですから、対中強硬姿勢もトランプ大統領個人の性格によるもので、交渉を有利に進めるためのポーズだと考える日本の知識人も少なくありませんでした。

しかし、今年10月4日に、ペンス副大統領がワシントンで講演し、中国に対しては経済に限らず安全保障分野でも断固として対抗措置を取ると発言したことで、日本の言論人や学者もようやく、アメリカの本気度を理解したのです。ペンス副大統領の演説後、やっと、米中貿易経済戦争の本質を知りたがる日本の言論人や学者が増えたことに、私は驚きを隠せませんでした。アメリカの台湾に対する姿勢を見て、私はアメリカの本気度を知っていたからです。

アメリカは、中国の弱みを最も多く握っている国です。アメリカは中国最大の輸出国です。そのアメリカに制裁関税をかけられ、「兵糧攻め」されている状態です。中国は報復としてアメリカからの輸入品に関税を課しましたが、中国は大豆の輸入をアメリカに頼っているため、この値段が上がれば、家畜飼料の高騰、さらには家畜肉の高騰を招き、食料価格が上昇していくことになります。

すでに9月ごろから、中国では豚肉が値上がりし始めています。しかも、豚コレラの流行も価格高騰に追い打ちをかけています。中国人にとって豚肉はなくてはならない食材ですから、この状態が長く続けば、人民の不満が高まっていくでしょう。

中国、貿易摩擦で豚肉が値上がり

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