2015年には、香港で習近平批判の書籍を販売していた銅鑼湾書店の関係者が拉致され、中国へ連れ去られて当局に拘束された事件はまだ記憶に新しいところです。しかも書店の大株主であるスウェーデン国籍の桂民海氏などは、タイに滞在しているところを中国当局に拉致されて大陸につれて行かれ、取り調べを受けました。
彼らはいずれも数ヶ月~数年後に解放されましたが、中国では違法な書籍を売った罪を認める書類にサインをさせられたといいます。また、桂民海氏などは、2018年にも浙江省寧波から北京のスウェーデン大使館に向かう列車の中で、中国当局に拘束されています。
日本にしても、2010年、尖閣諸島海域で海上保安庁の巡視船に体当りした中国漁船の船長を逮捕した後、その報復として、「中国で軍事施設をビデオ撮影していた」ということで、フジタの社員4人が逮捕されたことがありました。
日中関係が悪化したここ数年も、日本人が相次いでスパイ容疑で逮捕・拘束されるようになっています。2015年以来、8人の日本人がスパイ容疑で逮捕されています。もちろん日本政府はこのスパイ容疑を否定しています。
中国はいまなお、外交的に都合が悪くなると、国内で外国人を逮捕してカードに使うという野蛮な国家なのです。司法もマスコミも共産党の支配下にあるわけですから、人権などまったく無視です。中国に行くということは、それだけで非常に危険なことなのです。
このように、他国民をスパイ容疑で次々と捕まえている中国ですが、中国自体がスパイ国家であり、だから世界各国が警戒しているわけです。ファーウェイも、情報を中国に勝手に送るソフトが機器に組み込まれていると言われてきました。
そもそもファーウェイ創業者は人民解放軍出身であり、諜報活動を国家から命じられていることは、当然のこととみなされています。独裁国家であり、党の命令が憲法よりも上位にある国だからこそ、こうした疑いがどうしても拭えません。