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ドイツは、大事な国

実をいうと、ドイツは非常に重要な国です。この国のGDPは、アメリカ、中国、日本に次いで世界4位。そして、ドイツは、「EUでもっともパワーのある国」なのです。

アメリカのGDPは、世界GDPの約24%を占める。EUは、世界GDPで約22%を占めている。そのEUは、「実質ドイツに支配されている」と、しばしば指摘されています。それで、たとえばフランス人「人口学者」のエマニュエル・トッドさん(あまりに予測があたるので、「予言者」と呼ばれる)などは、「EU = ドイツ帝国だ!」と嘆いている。

そう、日本がドイツを味方につければEU全体が味方になる可能性が高い。そして、それは、「世界GDPの22%を味方につけること」なのです。

もう一つ重要なこと。

ドイツ、EUは、「世界的にもっとも人道的な国、地域」という評判を確立しています。それで、欧州の意見が世界の人権スタンダード」になることが多い。しかし、実をいうと、欧州のスタンダードも結構いいかげんなのです。

たとえば、EUは、「プーチンは同性愛反対主義者」といって批判します。その一方で、ほとんどすべてのイスラム教国が「同性愛反対」であることには触れません。欧州にはイスラム教徒が多いので、恐れているのでしょうか?いずれにしても、欧州の「人権」も結構怪しい。

「怪しい」といえば、ドイツはこれまで中国の人権問題をほとんどスルーしていました。しかし、「金の切れ目が縁の切れ目」でこれからは変わってくるかもしれません。

もし、ドイツとEUが、「中国はウイグル人100万人拉致をやめろ!」と騒ぎ出せば中国悪魔化」は確実になります。そう、ドイツとの友好は、「情報戦」の観点からも非常に重要なのです。

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