この心理は、モノを売るためのマーケティングにも活用されています。
「限定品」「先着○名様」「抽選で」……。こうした言葉を聞くと、人はソワソワし始めます。「どんなものだろう?」「人気があるのか?」「早く行かなければ!」「買った方が良いのでは?」
本気で欲しいと思っていなくても、なぜか手に入れたくなるのです。冷静でいられなくなります。「浅はかだ」と冷静に思う人もいるでしょうが、ほとんどの人は、無意識に心惹かれてしまうものです。本能のままに“欲しい”と感じて、行動します。
この行動を否定するつもりはありません。それも人生の楽しみ方ではないかと思います。お店に行列ができるのも、そんな人たちが、消費者の大多数を占めているからです。
ビジネスをする立場で見ると、消費者が“欲しい”と強く思う仕掛けを作れば良いのです。
「その店でなければ…」
「その日、その時間でなければ…」
「いつ登場するかわからないが…」
など、手に入りにくい状況を作り出せば良いのです。しかし、単に“売り惜しみ”をしても、お客さまにはバレます。本当に価値のあるものを提供しなければなりません。
「ドクターイエロー」は、JRの“戦略”ではありませんが、ファンを魅了する存在感を持っています。手本とすべきは、その「希少性」「神出鬼没」。これを見習うことで、消費者に飽きられることのない、長寿命の商品を生み出すことができるのです。
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