このまま進めば奈落の底。日本を終わらせない為に今すべきこと

 

国の未来は「人」で決まる

では、成熟期国家の未来は、何で決まるのでしょうか?私は、「国民の質によると思います。私もいろいろな国に行きましたが、日本の次にすばらしい国と思うのはフィンランドです。

08年出版『隷属国家日本の岐路~今度は中国の天領になるのか』の中で、すでにこの国を絶賛しています。少し引用してみましょう。

北欧にフィンランドという国があります。携帯電話のノキアが有名ですね。ロシアのおとなりなので、私はこの国によく行くのです。

 

面積は33万平方キロで、日本より少し小さい。しかし人口はわずか500万人強しかいない。日本とほとんど同じ広さの土地に、24分の1しか人が住んでいない。しかしフィンランドは昨年、一人当たりのGDPで日本を抜きました。

 

また、世界でもっとも競争力のある国として、汚職が世界一少ない国としても知られています。

 

おいしい空気と美しい自然。ロシアの道路はポイ捨てされたタバコだらけですが、フィンランドには全くありません。

 

フィンランド語を話せない私が困っている。すると、頼みもしないのに人がよってきて英語で助けてくれます。

 

もちろん住んでいる人には、いろいろ不満もあるでしょう。それはどこの国でも同じこと。しかし、外国から時々くる日本人の私には、とても「美しく」「品格のある」国に思えるのです。

この本を出版してから、早11年が経ちました。フィンランドは2018年国連の世界幸福度ランキングで世界一になっています。「善良な国民」を持つフィンランドは、10年経って、ますます世界のお手本国になってきました。

私は、最新刊の中で、旅にいってひどい目に会い、「二度と行きたくない」と思った国について触れました。そして、その国で革命が起こり、私は「そりゃ起こるだろう」と思い、まったく驚かなかった。やはり、「人の質その国の未来に大きな影響を与えるのでしょう。

「キレイごと」に思えるかもしれませんが、ある国の国民が善良であればその国の未来は明るいはずです。もちろん、国のトップは、「善良さだけでは務まりません。「大局観」も「戦略観」も必要。必要であれば、悪魔と同盟を組む狡猾さも必要です(アメリカは、ナチスドイツに勝つために、独裁者スターリンと同盟した。その次、ソ連に勝つために、もう一人の最悪独裁者毛沢東と組んだ)。

しかし、一般国民にそのような狡猾さは必要ありません。「大局観」「戦略観」は持つべきですが、狡猾さは必要ありません。「善良」で「勤勉」であれば十分です。

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