厚労相は2018年10月に加藤氏から根本匠氏に代わった。野党は加藤氏を国会招致すべきだが、自民党総務会長になっている加藤氏がそれに応じることはありそうにない。だが、安倍首相に真相解明から逃げる理由がないというのなら、自民党に対し招致に応じるよう働きかけるべきである。
加藤前厚労相は日本記者クラブの会見で統計不正問題について「報告は受けていなかった」と、自らの関わりを否定した。その後、メディアに加藤氏の責任を追及する姿勢がほとんどみられないのは不思議なことだ。
“モリ・カケ”もそうだったが、安倍政権にまつわる疑惑が浮かび上がると、真相の解明をはばむ政官のメカニズムがいっせいに動き出す。権力が腐敗し、イエスマンがはびこって、民主主義を機能不全に陥らせている。メディアの記者たちが“特オチ”をおそれて、権力に飼い慣らされる傾向も、腐敗を助長しているのではないだろうか。
image by: 首相官邸