リアルでのサブスクリプションの広がりをどう活かす?
記事にはさらに、エステ業界にも広まっていて、月額1万円で、先端のエステマシンを使えるサービスや、シャンプーなどのヘアケア製品が、定額で毎月届くなどというサービスも生まれている。
サロン系の業態だけではなく、カフェにもサブスクリプションの仕組みができ始めている。カフェパス、というサービスでは、月額4860円で30カップまで、1杯162円で飲めるサービスをやっている。3杯まで900円というライトプランも用意されている。
ホームページには、「毎日のようにカフェや喫茶店を利用するなら30CUPSがおすすめ!30杯飲むと162円に!?通学・通勤途中にコーヒーをテイクアウトしたり、午後の一息にフラッとコーヒーを飲みに立ち寄ったりと、日常的にカフェを利用するならこのプラン」とあるように、コーヒー好きにはありがたい内容だ。
このように、ユーザーにとって今までの使い方と違う、新しい使い方をしてもらうアプローチは、マーケティングの大家、コトラーが言う「水平思考」。以前コンビニエンスストアが、単に物を販売するだけではなく、宅急便を受け取れたり、公共料金を払えたり、ATMを設置して「使用の状況」を追加したことで、売り上げの純増を図ったことと共通する。例えば、歯科医でのサービスで、歯のクリーニングを定額制にするなどの応用になる。
水平思考のポイントは、何を売るか、ということではなく、ユーザー・顧客に何ができるか、という視点である。もう一つは、「固定観念」「過去の成功体験」を捨て、自由な発想をすること。「そんなのできるわけない」という否定的な発想では、新しいアイディアは出ない。
もし自分がユーザーだったら、何が欲しいか、ユーザーが何を喜び、そこに自社の仕組みで何ができるのか、を、常に考え続けていると、お客様も、自社も、ビジネスパートナーも喜ぶ仕組みができる。
リアル店舗でのサブスクリプションは、その意味でも、大いに参考にできる傾向だ。
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