参院選に暗雲。プーチン談話で判った、北方領土返還交渉の大失敗

2019.03.19
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佐藤優のみっともない弁解

この「2島返還」論での対露交渉をけしかけたのは、鈴木宗男=佐藤優のかつてのロシア通コンビである。私は、彼らが主唱する1956年日ソ共同宣言に基づく「2島返還」論に立って日露平和条約を締結することには、そもそもからして賛成で(どうしてそうなのかの解説は今は省略する)、その限りでは安倍首相の動きに少しは期待を抱いたのだけれども、全くダメだった。

佐藤も弁解モードに入っていて、3月15日付の東京新聞「本音のコラム」では、何ともお粗末な駄弁を弄している。安倍首相は、日ソ共同宣言に基づいて返還の対象を歯舞・色丹に限定するというシグナルを出し、「北方4島」という表現さえも封印し、その意味で安倍首相も外務省も「リスクを負ってロシアとの関係改善に尽力している」。なのにどうだろうか……、「最近、ロシアは日本の善意を弱さと誤認して、ハードルを上げようとしている。このままだと日本の政治家と外交官の忍耐の限界を超えて交渉が失速する危険がある。在京ロシア大使館におかれてはこのコラムをロシア語に訳して、公電でモスクワに報告してほしい」とまで言うのである。

つまりは、日本が「4島返還」それも4島「一括」返還でなければ話にならないという従来からの要求を取り下げて、「2島返還」というところまで後退するという善意を見せたのであるからロシアがそれに応えないのはおかしいというわけである。ところがロシアにしてみれば、日ソ共同宣言では元々2島返還」だったのであり、それを勝手に「4島」とか「一括」とか言い出したのは日本であって、それを取り下げるのが日本の「善意」の現れであると言われても、困ってしまうのである。

「このコラムをロシア語に訳してモスクワに報告して」とは、コラムを面白くするための文章の綾なのだろうが、実は語るに落ちていて、鈴木・佐藤コンビがプーチンに直通する裏ルートを持って根回し工作をしていたのではないことを告白したに等しい。

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