NYの「深夜の騒音」よりも日本の街なかの音の方が耳障りな理由

 

なにより、人、ニューヨーカーが出す騒音

レキシントンアベニューのお隣がサードアベニュー。ここはアイリッシュバーが乱立しています。バーだらけ。酔っ払いニューヨーカーたちは、平日週末構わず、大声で騒いでいます。飲んだくれが、大声で仲間を呼び、バー自体からもどデカイBGMが漏れ聞こえます。(まさかのこれすら慣れていきます)。

で、その中でも、もっともうるさくて、不快な騒音が、路上駐車している車の防犯アラーム。多分、これを読んでくれている人の中で、ニューヨーク在住の方がいらっしゃったら、絶対、笑ってくれるはずの「ニューヨークあるある」。

しかも、実際に盗難されているから鳴り響くのではなく、故障か持ち主のミスが原因で作動します。だってほぼ毎晩だもの!

なので、住人みんながその原因を知っているので、だーれも騒がない。まったく意味がない。元々の役割をなしていない。また、鳴ってるよ、てなもんです。当然、泥棒をひるませる為の音。あまりにうるさくて、あまりに嫌な音。これが真夜中から朝まで大音響で鳴り続けます。(しかも人間、怖いのはこれにすら慣れます)本当の泥棒の時、どうするんだろう。

ここまで読んで頂いている方には、「そっりゃあ、おまえんとこの家が、治安悪いエリアなんだろう」と思われるかもしれません。でもね、この際、言っちゃうけど、うちのエリアは「MIDTOWN:MURRYHILL」という、いわゆる高級住宅エリアなんです(ちなみにうちは1ベッドルームのマッチ箱)。もっとも、マンハッタンで治安がいいと言われているエリアのひとつでもあるんです。

つまり。ここで、こんだけうるさけりゃ、ダウンタウンやヘルズキッチンあたりは、もっとうるさい。結局、ニューヨーク、特にマンハッタンに住むってことはつまりはそうゆうことなんです。

やっぱりニューヨークは戦う街。学生であれ、ビジネスマンであれ、何かをする街。静寂を求めて来る場所ではない。日本人の僕にしてみれば、やっぱり最初は苦痛だったと思います。

それが、先日。妻の実家である埼玉県の所沢市に泊まった時のことでした。夜、静かすぎて、眠れない自分を自覚しました。ふと横を見ると、いつもはベッドに入った瞬間いびきをかく妻も目を開けて天井を見ています。

「…静かすぎない…?」「うん……なんだか落ち着かないね」人間の慣れって怖いなぁってつくづく思います。

ちなみに、うちには3歳の双子がいます。彼らは当然、生まれた時からその騒音にさらされています。大人が耳をふさぐ消防車のサイレンの音も、Fワード連発でよくガナリあってる喧嘩の音声も、最大音量のクラクションの音も、まったく我関せず、ベビーカーでも、ベッドでも、爆睡しています。両方。その寝顔を見て「おまえたちは、生粋のニューヨーカーなんだな」とつぶやいたりします。

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