現在米国をはじめとする国際社会は、北朝鮮が核放棄を決心するように追い込む方法は制裁圧迫唯一つという共感で一つになっている。米国は北朝鮮の海上不法積み替え(瀬取り)を取り締まるために、警備艦まで韓国に送っている始末だ。韓国政府が、このような制裁に積極的に参加しなければ米国の信頼を回復することができず、アメリカの信頼を得ることができなければ、北朝鮮が韓国に「仲裁」の役割を期待するはずもない。
しかし、文政権は北朝鮮の核廃棄がどうなろうが一貫して、金正恩ショーを継続させつつあるようだ。「制裁緩和が先で、核放棄はその後」という不合理な発想に固執している。制裁がなくなった北が核を放棄するはずがないのに。このような事情をよく知っている北は、22日、開城から撤退して「南側は残っていてもよし」とした。北一流の文法だ(米国にもう一度頼み込んでみたらということであろう)。
文大統領が「金正恩・非核化の意志」という実体のないバブルを作りあげようとした時から、ともすれば大韓民国が最大の被害者になる恐れがあるという懸念があった。その懸念が最悪の姿で現実化されている今日この頃だ。
南北間の戦争の危険性をなくしたという点では文大統領の仕事は大いに評価できるが、断固たるべきときに断固たる態度を示すことも国際政治においては非常に重要だろうと思われるのだが。金正恩は近々ロシアに行ってプーチンと会うようだ。習近平とも会うらしい。朝鮮半島をめぐる情勢がどんな展開を見せていくのか、日々に注目である。
※後半部分の論調は朝鮮日報を参考にした
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