自民党の議席減を鈍らせる、国民民主党内の「小沢一郎アレルギー」

 

問題は大阪12区だ。共産党の宮本岳志氏(比例近畿ブロック)が現職の衆院議員を辞めて、無所属で出馬した。かつてなかったことだ。

志位和夫委員長は各野党を回り、宮本氏を野党統一候補として支援するよう要請。自由党が宮本氏の推薦を決めた。

立憲民主党、国民民主党は自主投票の方針だが、森友疑惑の追及で宮本氏と連携してきた立憲民主党や社民党の議員らも宮本氏の応援に駆けつけている。立憲の枝野幸男代表も宮本陣営を訪ね激励した。

この選挙では自民党新人の北川晋平氏、日本維新の会新人の藤田文武氏、無所属の元衆院議員、樽床伸二氏も出馬しており、維新の藤田氏の優勢が伝えられている。

樽床氏にも野党票が入ることが予想されるだけに、宮本氏は厳しい戦いとなっているが、終盤の追い上げにのぞみをかけたいところだ。

いずれにせよ、自民党は沖縄3区と大阪12区の衆院補選で敗れる公算が大きい。環境庁長官を務めた北川石松氏の地盤を引き継ぐ北川晋平氏が大阪で敗れることになると、参院選を間近に控えて気勢がそがれるだろう。

自民党が難攻不落なのではない。野党結集が足りないのである。民主党政権誕生時の選挙協力で強まった小沢氏と共産党の信頼関係を、立憲民主、国民民主両党は生かすべきである。

image by: Shutterstock.com

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