一方、国連などは、中国政府によるウイグル族らイスラム教徒100万人以上の強制収容を問題視していますが、中国政府は「あくまで職業訓練のため」と強制収容を否定してきました。
しかし、先の社説では、西側の「自由」「民主主義」を否定し、自分たちの宗教統制の正しさを強調しているわけですから、ウイグル族の強制収容が事実であることを、はしなくも暴露してしまったわけです。
強制収容されたウイグル族については、無理やり移植用臓器の提供者にさせられたり、そのために処刑されているという噂が絶えません。
中国政府は宗教の過激主義を抑え込んでいると胸を張りますが、しかし、中国では反政府デモや暴動が年間20万件も起こっているとされています。かつては中国政府も件数を発表していましたが、あまりに暴動件数が増加したために、途中から発表をやめてしまいました。
たとえば中国政府が2005年に発表した社会白書では、1993~2000年の間でデモや暴動などの群衆事件の発生件数が1万件から6万件にまで増加したと指摘しています。その増加スピードからして、現在は20万件近くの群衆事件が発生していると推測されています。
イスラム教徒を次々と強制収容して反政府活動を抑え込んでいるわけですが、別の形での反政府活動が相変わらず噴出しているわけです。もっとも、共産党一党独裁で民意を問うシステムのない中国では、民衆統制の手段は弾圧しかありません。民意を問う民主主義を導入した途端、共産党独裁は終わり、体制が崩壊してしまうからです。