ここでもインスタ映え重視?平成世代が住まいを選ぶ「決定打」

 

高経年マンションで、若い世代に入居してもらいたいと思ったら、自分たちのマンションの「魅力」を、自分たち目線でなく若者目線で考えなければなりません。高齢の役員の方が集まっての、若い世代をどうして呼び込むかという議論を聞いていると、どこか感覚がずれているように感じることがあります。この調査結果は参考になると思います。「まちのブランド」がある地域なら、高経年マンションでも、やり方次第で新たな価値を生み出せそうです。

また、「まちのブランド」はちょっとハードルが高かったら、マンションの「デザイン性の高さ」「水回り等の機器の充実」で若い人を引き付けられる可能性がありそうです。

  • エントランス周りをデザイン性が高いものにリノベーションする…
  • 外壁におしゃれなデザイン・色を取り入れる…
  • 専有部分のリノベーションやDIYがしやすいように、給排水設備をフレキシブルにする…

等々。で、そういった事例をインターネット上で発信していく…。その積み重ねで、新たなマンションとしてのブランドが育つ可能性があります。まず、若い世代の価値観を知るマーケティングから始めることが大事なんでしょうね。

というと、そんな若い人たちの価値観に媚びる必要はない、まず、自分たちが高齢になっても住み心地がいいことが一番だ。という声が聞こえてきそうです。それは、その通りなのです。だから、高経年マンションで若い世代を呼び込もうという掛け声はなかなか結果に結びつかないのです。本当に望んでいないことは実現しないのです。

また、子ども家族が、親との近居でマンションに戻ってきて若い世代が増えている。だからうちのマンションは大丈夫だという話をよく耳にします。それは、すばらしいことですが、その場合、入居の動機が、必ずしも自分の育ったマンションが魅力的だったからここに住みたい思って帰ってきた…とばかりは言えないのです。

親の近くに住んで孫の面倒をみてもらいたい、高齢の親の見守りがしやすいように近くに住む、親が、近くに住むならとマンションの購入資金を負担してくれる、等々、家族の事情が大きいことが多いので、子供たちが帰って来たから、このマンションはこのままでもだいじょうぶ、若い世代にも魅力的なんだと安心するのは、ちょっと心配です。

何だか、いやなことを言うようでごめんなさい。自分たちの心地よさを維持しながら、若い人たちの感性を取り込んでいくというのは、簡単ではないのです。それでも、若い世代のことを理解しようという気持ちだけは持っていたいと思います。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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