伝説の営業マンが見た地獄とそこに垂らされた一本の蜘蛛の糸

 

小林 「ただ、最初はどうやって役に立てばいいのか分かりませんでした。そこでまずはお客様の情報を集めようと。

それまでは営業というのは喋る仕事だと思っていたのでマシンガントークをしていました。それでも昔は決まっていたんです。ところが、売れなくなった時に参加した経営セミナーで学んだのは『とにかく人の話を聴く』ということでした。人間は話すのと聞くのと、どっちが好きかっていったら話すことが好きな人のほうが圧倒的に多いと。そこで初めて聴くことの大切さに気づかされ、それからは何を聴くか何を質問するかを考えるようになりました」

──質問して情報を引き出すと。

小林 「出身地や出身大学、趣味、家族構成、いろんなことを聴いて、その情報を『見込み客発見ノート』に書き留めていきました。その上でお客様が何に困っているのか、何に関心があるのかを探して役に立つ。それを実践していったら、やっぱりお客様から返ってくるわけですよ。「どうせ保険に入るんだったら、君は信頼できそうだから、じゃあお願いしようか」って。

どんどん人の役に立つうちに、向こうからどんどん声が掛かるようになって、ストレスもなくなっていったんです。5年目までは常にストレスとの闘いでした。言わば、狩猟型です。お客様を追い求めて、追い求めて、捕まえて契約をもらう。だとすれば、7年目以降は完全な農耕型。種を蒔いて、お客様を育てて、最終的には向こうから声が掛かる。だから、売るのを一切やめたんですね。そうしたら売れるようになった。

7年目から復活してきて、9年目で全国トップになり、翌年には全世界の生命保険のトップクラスで構成されるMDRTのTOT会員資格を得ることができたんです。2003年、37歳の時でした。そして、11年目にマネジャーになり、翌年にはチームの業績を日本一にすることができました」

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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