顧客満足度も売上もアップさせる、接客の「当たり前行動」とは?

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居酒屋などでよく見かけるようになったタッチパネル式の注文方法ですが、意外な「弊害」があるようです。今回の無料メルマガ『飲食店経営塾』では飲食店コンサルタントとして活躍中の著者・中西敏弘さんが、タッチパネルがお店側にもたらすマイナス要因を記すとともに、その弊害を除去し顧客満足度を上げ、さらに売上もアップするという「5つの当たり前行動」を紹介しています。

「当たり前行動」を徹底してみないか?

僕のご支援先(特に居酒屋業態)では、5年ぐらい前から「当たり前行動」というものを各店舗で実施してもらっている。

当たり前行動は、接客の視点であり、最低限この行動だけはいついかなる時次の5つを確実に実行しようという接客の行動である。その5つとは、

  1. ドリンクのおすすめ(お替りをすすめる)
  2. 空いた皿のバッシング
  3. 取り皿交換
  4. 灰皿交換
  5. おしぼり交換

である。なぜ、この5つを「当たり前行動」として各社、各店にて実施してもらっているかというと、次のようなきっかけがあってから。

あるご支援先で、接客の話をしているときに、ある社員スタッフから、「ドリンクのおすすめは気遣いだと思います」という発言を聞いてから。

僕はこの発言を聞いて、ちょっとびっくりした。色々な考え方はあると思うが、僕は「気遣い」とは、「できるときにやるもの」。だから、「できなくても仕方がないという気持ちがどこかにあると思っている。

ただ、僕は、「ドリンクのおすすめ」は、気遣いではなく、「いついかなるときでも」やらなければならないと思っているし、現場にいた頃は、グラスを見るのを忘れていて、お客様から声をかけられただけでも「しまった!」という気持ちが強かったし、基本的には“スタッフ側からすすめるべきものやらなければならないものという認識が強かった。

だから、現場の仕事から、今のコンサルティングの仕事をしてからも、居酒屋などに行ったとき、「ドリンクのおすすめ」がない場合、「う~む。おかわりも勧められないのかあ…。ダメやなあ…」と、できないことを非常にマイナスポイントとして捉えている

しかし、先ほどの社員スタッフの一言から、そういえば、この5年ぐらいのコンサルティングを振り返ってみると、皆、「ドリンクのおすすめを“絶対にやらなければならない!”」という意識を持っている人が少なくなったなあと思えた。

 

それで、色々と考えてみると、この傾向は「タッチパネルを導入している店が増えてから、上記のような考えをするスタッフが多くなったように思えた。

「タッチパネル」を導入するメリット、デメリットはさておき、このような店を利用する人がすごく増えてきている。特に、20代前半の人は、「タッチパネルはあって“当たり前”」になってきていると感じる。

すると、彼ら彼女らは、「注文は自分のタイミングでするもの」「スタッフが色々と声をかけてくるのは、かえってうっとうしい。なんか押し売りみたいで嫌だ!」と感じる若者がすごく増えているはずなのだ。

飲食店の接客に、“何が正解”というのはない!

だからこそ、自店は「お客様にこのように楽しんで欲しい!」「自分たちは、こんな接客をするんだ!」という店としてのあり方(接客の方針等)を店舗理念やクレドとして言語化し、それを店のスタッフに伝え、その実現を図っていくことが大切なのだが、一昔前(15~20年前)と比べて、前提条件が違っていることを念頭において教育指導店舗改善を行っていくことが重要だ!

つまり、おかわりを積極的に伺ったり、商品の提案をしたり、空いた皿のバッシングをしたりなどなど、一昔前は、これらのことができれば「飲食店としてやるべき仕事であり、いいサービス(接客)」と多くの人が思っていたが、今はそうではないと考えている人が多くなっている、ということを念頭に置いて教育・指導すべきだということだ。

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