国民皆保険制度となっている日本には、国民健康保険の他、政府管掌や企業・業界団体によるさまざまな健康保険があります。今回の無料メルマガ『新米社労士ドタバタ日記 奮闘編』では、政府管掌の健康保険とその他の健康保険組合の違いと社会保険適用除外制度を取り上げ、会話形式でわかりやすく紹介しています。
社保適用除外制度
日本は、「国民皆保険」という制度があり、国民の誰もがどこかの健康保険制度に加入することになっている。
健康保険の保険者にもいろいろある。まずは、市区町村主体の国民健康保険。サラリーマンが加入する政府管掌の健康保険。業界ごと、またはその他の単位での健康保険組合もある。
大塚 「適用除外のB社さんの社長の奥様、健康保険を社長の扶養に入れてくださいってオーダーあったわよ」
新米 「適用除外のB社さん?」
大塚 「適用除外のことは知ってるわね?」
新米 「健康保険が適用除外される事業所のことですよね?法人でなくて、従業員が5人未満とか…業種によっては、5人以上でも加入しなくても良いですよね。社労士事務所もその中に入っているはず…」
大塚 「あ、そっちの適用除外?…でなくて、国保組合の適用除外のことなのよ」
新米 「国保組合って…国民健康保険組合?あ!社労士試験勉強のときに出てきたかも!」
E子 「たぶん、勉強はしてると思うわよ。でも、頻繁に手続きすることはないと思う。B社さんがそうなの」
新米 「B社さんって、電気工事のお仕事ですよね?国民健康保険だったんですか?」
大塚 「正確には、従業員さんは社会保険。社長と息子さん、奥様が国民健康保険組合加入なの」
新米 「え?同じ会社なのに、健康保険ってバラバラに加入できるんですか?」
E子 「そうなのよ。私も最初は会社単位、適用事業所単位だとばかり思っていたけど、個人単位で別の保険者に加入ができるのね。な~んだって思ったわ」
新米 「へぇ~!!ビックリです。それは知らなかった~」
E子 「でしょー、従業員さんは政府管掌の健康保険、役員さんたちは建築国保組合よ。知っておいてね」
新米 「法人は、普通は政府管掌の健康保険に入りますよね。そもそも建築国保組合にはいる理由って何なんですか?」
E子 「あ、でも国保組合じゃなくても健康保険組合に入る会社さんはあるでしょ。政府管掌とは限らないわよ」
新米 「あ、そうか。健康保険組合って業界ごとにもありますね。ボクの担当会社にはないけど…」
E子 「健康保険組合に入る理由は会社によって様々だと思うけど、B社さんの加入している国保組合だったら業界に関係の深い研修がたくさんあるだろうし、報酬の高い人たちなら保険料は安くなるかもね」
新米 「健康保険料が安いかどうかっていうのはどう比較するんですか?保険料率ですか?」
大塚 「健康保険組合なら政府管掌と同じように保険料率で保険料が決まるけど、国保組合は年齢で一律なのよ。だから、その決まった保険料額と比較することになるわ」
E子 「個人なら、報酬が高ければ結構な保険料になるでしょ。市区町村にもよるけど、2019年は京都市だと医療分で年額61万円ね。月額に直すと5万円ちょっとかかる。建築国保なら2万円ちょっとじゃないかなぁ…組合費も必要だけど、安くはなるよね」
新米 「国民健康保険ってそんなに高いんですかぁ?」
所長 「そうね、国民健康保険の仕組み、健康保険組合の仕組み、国保組合の仕組み、ある程度は各々知っておくことは必要よ」
新米 「はい、わかりました~」