中国に激怒。香港103万人デモに吊し上げられた習近平の崖っぷち

 

対応に困るであろう中国政府

中国政府は、このデモへの対応に困ることでしょう。皆さんご存知のように、6月4日は「天安門事件30周年」でした。それで、中国の人権状況に関心が集まっている。ここでデモを弾圧すれば、「中国は今も昔も変わっていない!!!」ということで、国際社会で孤立します。

米中覇権戦争が2018年にはじまった。ロシアははっきりと中国側につく意志を示しています。問題は欧州の動向ですね。

現状アメリカと欧州は、「NATO問題」「イラン核問題」「エルサレム地位問題」「ロシアードイツガスパイプライン問題」などで、ことごとく対立しています。それで、欧州は、アメリカと中国の間で揺れている。しかし、もし中国政府が香港デモを弾圧すれば、欧州はアメリカ側につかざるを得なくなるでしょう。

では、中国政府が譲歩して、「逃亡犯条例改正案」をひっこめさせたらどうでしょうか?そうすると、デモをしている人は、今後ますます要求を拡大していくことでしょう。「中国政府が譲歩した」となれば、中国本土でもデモが活発になっていくかもしれません。

というわけで、中国政府は、デモ弾圧も譲歩もしがたい状況。これからの動きを注目していきましょう。

30年前、天安門のデモは、大虐殺で終わりました。中国は、まだ成長期の前期にあり、体制は揺るがなかった。しかし今、中国は建国70年を迎え、成長期から成熟期に移り変わる時期になっています。それで、30年前とは違い、今起こるデモは政権に大打撃を与えることも可能なのです。

image by: kouikusen

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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