今後のドラッグストア業界はどうなるのか?
このようにM&Aではお互いの強みが相乗効果を発揮できる、ということが重要だ。どちらに決まるにせよ、大規模ドラッグチェーンができることが予想される。こうなると、業界内での競争は激しくなり、価格競争に陥るのは想像に難くない。
このままでは、資金力を中心に体力がある企業が、勝ち残る構図になるだろう。小売業で重要なことは、お客様がその店に行く理由をはっきりさせること。
なかでも、安いから行く、価格に頼るだけでは、値引き合戦でしか勝負できない。価格や立地条件など、物理的・機能的な側面ではないところで、勝負したいところだ。
その意味では、先述のPB商品などは、その店だけのものなので差別化できる。スターバックスのように接客に工夫をしたり、コメダ喫茶店のようなおもてなしのサービスを生み出すことも、独自サービスとして考えるべきだ。
人は居心地のいいところに集まるので、ゆったりできるスペースを確保するなども、その店に行く理由になる。買い物好きの私には、これからのドラッグストアの行方がとても楽しみだ。ワクワクするような店舗作りをして欲しい。
企業にとって最も参入障壁が高いのは、設備や技術ではない。訓練された「人」なのだ。
おもてなしの心で、顧客の期待を超えるサービスを生み出せた企業こそが勝ち残れるのは、ドラッグストアの業界も同じであろう。
image by: Tokumeigakarinoaoshima [CC0], via Wikimedia Commons