熱帯地方の人より日本人が多く汗をかく理由はビジネスに活かせる

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予測不可能な事態が起こった時のとっさの対応力は、どうすれば身に付けられるのでしょうか。今回の無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』では現役教師の松尾英明さんが、日本人と熱帯地域に暮らす人々の適応能力の違いを例に挙げ、わかりやすく解説しています。

仕事への「適応能力」を高める

「とっさ!のうまい対応」について。今年出た新刊のタイトルの一部である。「とっさの対応」はどう身に付くのかという話。

以前にも書いたが、今大学の授業で、健康教育について学んでいる。面白い話を知った。日本人と熱帯地域に暮らす人々の暑さへの適応能力の比較である。

両者の「汗腺の数に差があるか。汗腺とは、身体から汗を出す腺のことである。これは、差がある。熱帯地域の人々の方が約2割増しで多いという。では、汗をより多くかくのはどちらか。これは意外にも、日本人の方である。暑さへの反応が強いため、すぐに汗をかく。そうなると、何のために熱帯の人々の汗腺数が多いのかということになるが、これは後述。続いて、同じ量の汗の塩分濃度。どちらが濃いか。これも、日本人の方が濃いらしい。

総じて、これらの特性は「暑さへの適応能力」ということで説明される。つまり、暑さという環境要因に上手に対応できる能力の高さである。

普段からちょっとした暑さに敏感に反応していると、水分も塩分も出切ってしまう。だから、熱帯地域の人々の身体には、水分も汗も節約する機能がある。

一方で「突然の異常な暑さ」に適応する能力もある。これが、汗腺の数の多さである。普段すべての汗腺がフル稼働している訳でなく、余裕がある。「とっさの対応」用として、他が控えているという状態である。

ちなみに、これらの身体的機能は、遺伝性ではなく後天性であるという。日本人の赤ん坊を熱帯地域で育てれば、そのようになるということから証明されている。よくできたものである。

話を戻すと、つまり、とっさの対応能力というのは、「普段からの無駄の排除余裕の多さ」に関係するともいえる(お金の話に似ている)。普段が全力100%でいっぱいいっぱいだと、それに加わる緊急の事態に対応できない。

それはとりもなおさず、より良くするためのプラスアルファにかける力も残っていないということでもある。「緊急で重要」という事態に苦労する上に、「緊急でないが重要」というレベルアップのための活動もできない。常に「今すぐやるべきこと」ばかりに追われ続けることになる。

これを防ぐには、働き方を変えて、余力、余裕を生み出す工夫が必要である。方向は、大きく二つ。

一つは、減らす捨てる方向。暑さの適応の話でいうと「節約機能」の方である。無理・無駄をなくし、環境自体を快適にするという方向である。仕事術の本などを参考に、モノの廃棄や仕事の精査をすることがこれに貢献する。

もう一つは、増やす余裕をもつという方向。暑さの適応の話でいうと、「汗腺の数を増やす」の方である。普段から余力を残し、対応できる幅自体を増やす。リラックスタイムと勉強の両方がこれに貢献する。

勉強の時間すらもろくに取れないという状態は、常に「ジリ貧」が続き、がんばっているのに後退することになる(レベルアップなしで常に同じレベルの相手と戦い続けている状態である。常に苦戦が続き、いずれ体力が尽きる)。

仕事へも「適応能力」という視点で見つめ直すと、見えるものがあるかもしれないと感じた次第である。

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【著者】 松尾英明 【発行周期】 2日に1回ずつ発行します。

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