6割の企業が抱える社員のメンタルヘルス問題。解決の糸口は?

 

新米 「職場の安全と衛生の確保という意味では、『労働安全衛生法』ですよね。その安全衛生確保措置のなかでも、『労働者の心の健康』対策が急務となった歴史の話がありました。2000年に『事業場における労働者の心の健康づくりのための指針』が策定、2006年の『労働者の心の健康保持増進のための指針』の話とか…」

大塚 「あー、『4つのメンタルヘルスケア』につながるのよね」

新米 「『労働者の心の健康保持増進のための指針』の中で示されているメンタルヘルスケアのことですね」

大塚 「そう、一つ目の『セルフケア』は、労働者自身で行うことのできるケア。働く人が自らのストレスに気付き、予防対処し、また事業者はそれを支援すること」

E子 「つまり、自分の健康状態を把握して、自発的な相談に来てもらったり、受療行動をとってもらうってことね」

新米 「二つ目は『ラインによるケア』は、管理監督者が行うケア。日頃の職場環境の把握と改善、部下の相談対応を行うことなど」

E子 「職場環境っていうのは、労働環境、方法、業務内容、労働時間、人間関係などのことね」

大塚 「三つ目は『事業場内産業保健スタッフ等によるケア』は、企業の産業医、保健師や人事労務管理スタッフが行うケア。労働者や管理監督者等の支援や、具体的なメンタルヘルス対策の企画立案を行うことなど」

E子 「職場環境の把握と評価、改善への助言と業務範囲が広くなるわね」

新米 「最後の四つ目は『事業場外資源によるケア』は、会社以外の専門的な機関や専門家を活用し、 その支援を受けることですね」

E子 「まとめると、そんな感じかな。産業保健総合支援センターや、精神保健福祉センター、保健所、医療機関、相談機関などで相談やカウンセリング、診断や治療、復職支援、教育にかかわってもらうことになるってこと」

新米 「この指針における留意事項は、

  1. 労働者自身がストレスに気づき、これに対するセルフケアの重要性
  2. 事業者による組織的かつ計画的な対策の必要性
  3. メンタルヘルスケアの推進におけるプライバシー保護と 労働者の意思の尊重
  4. 家庭・個人生活などの職場以外の問題と、職場の問題の相互関連性への考慮

ってことでしたー」

E子 「2002年頃から製薬会社とタイアップして『うつ病は薬で治る!』とキャンペーンを開始してから、うつ病やメンタルヘルスへの認知度が上昇したのよね。SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という抗うつ剤が国内販売されたことも原因だそうね」

新米 「へぇ~、そんなキャンペーンもあったんですか」


SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬) ~wikipediaから

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(英語: Selective Serotonin Reuptake Inhibitors, SSRI)とは、抗うつ薬の一種。シナプスにおけるセロトニンの再吸収に作用することでうつ症状、病気としての不安の改善を目指す薬。2009年5月現在、日本国内で100万人以上が使用していると推定されている。

 

旧来の三環系などと呼ばれる抗うつ薬は副作用があり、医者または患者によっては敬遠されていたことから、副作用を少なく・より選択的に作用することを目的として開発された。肝毒性、心・血管副作用や、鎮静作用、口の渇き・便秘など抗コリン作用が原因と思われる副作用は減少したが、セロトニン症候群、賦活症候群、SSRI離脱症候群(中断症候群)など旧来の抗うつ剤ではあまり報告のなかった副作用が発生している。

 

「選択的」とは他の神経伝達物質に比べ、セロトニンの再取り込み阻害作用のみでアセチルコリン等は阻害しないこと、ノルアドレナリン対セロトニン及びドーパミン対セロトニン比が大きいことを意味する。

image by: Shutterstock.com

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