いっぽう、たまに見かける「残念なプレゼン」が、残念になってしまう一番の原因も、ここなんです。せっかく見せながら話すことができるのに、ただぼんやり全体像を見せるだけ。どこを見せて、何を語るか?を繋ぎきれていないんですね。 「見せながら話す」話し方において、見せる部分がぼんやりしてしまうと、話の内容もぼんやりと、そして表面的に聞こえてしまうものなんです。あるいは、話す内容が絞り切れてないから、明確に見せられない、と言うこともできるでしょう。
これを逆手にとれば発表、プレゼン、見せながらの説明の時に、どういう話をするか、見せるところを絞りこんでいくことから発想する、という考え方もできると思います。いずれにせよ、残念なプレゼンが、残念になってしまう一番の原因は、見せたいところと、本質が結び付けられていないから、なんですよね。
具体的には、「これは何だと思います?これは、〇〇なんです」。ここ止まりでは、そのものの存在と見た目の全体像を繋げただけですよね。聞き手は、「へー」でおしまい。 あとは見た目から、もっと詳細な疑問を抱いてもらえるかどうかの、相手任せの状態になってしまいます。よほど前のめりで話を拾おうとしてくれる人以外には、通用しないでしょう。
その点、伝える使命を背負った話し手ならば、「この部分、どうしてこうなっているかと言いますと?この部分がこうなっていることによって、こうすることが可能になったんです。これがどういう意味を持つかと言うと!(ここが言いたいことの本質)」。 とか、「これがすごくいいんですよ、お勧めです~」止まりではなく、「これが、こんなふうに良かったんです、ほかのものでは味わえないその良さの、理由はこの部分なんです…(ここが言いたいことの本質)」。 と、見せながら、自分が言いたいことの核心に迫っていくような話の進め方を、心がけたいところ。これは残念なプレゼンだけではなく、プロが製作するテレビショッピングなどでも、面白みに欠けるコンテンツでは、この点が演出しきれていないものをよく見かけます。しかも、このポイントは、なぜそのプレゼンやコンテンツが面白くないのか?いっぽうで、そこを上手にやれる人はどこが違うのか?見ている人はほとんど気づきにくい点でもあります。
当メールマガジンの読者さんは、ぜひ、こっそり実践してみてくださいね。
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