現役アナが教える「残念なプレゼン」が残念になってしまう理由

 

聞き手の聞く意欲を高めるのはもちろん、話が立体的になりますよね。それによって、聞き手の意識を刺激するとともに、視線と体を動かせることで、退屈を感じさせない話をすることができます。 クローズアップする話し方では、全体像から細部へ、さらに視線の焦点が移動しますから、なおさら集中力も増すわけですね。 逆に言うと、聞き手の視線が動かない、あるいは「なになに、どういうこと?」というような意識への刺激の少ない話は、眠くなる、ということです。この点についても、過去記事でお伝えしてきたとおりです。

そしてここでひとつ、大切な「気づきポイント」があります。それは、見せたい見た目(映像や実物)があって、言いたいことと完全に結びついている、そしてそれが話の前提になっている、ということです。 ちょっと精神論みたいになってしまいますが、何を見せたいかが明確なので、見せたい気持ち、言いたい気持ちの情熱が、おのずと高まる、ということです。もっともその情熱は、話を作っていく段階で、意識的にスイッチを入れることが可能です。

論点を考えているうちに、無性に、早くその話をしたくなることはありませんか?それは、何が言いたいか、論点を絞り込んでいくうちに、話したい情熱のスイッチが、自然に入ったせいなんですね。

ちなみに上述のスポーツニュース原稿では、そのあたりはほとんど自動化、方程式化されています。例えば、プロ野球の結果であれば、どちらがどう勝った負けたかは、既に事実として揺るぎないですから、あとは、それを語るうえで必要なプレーの映像を選択し、補足説明と効果的に盛り上げる文言を付け加える作業。 見せたい気持ち、言いたい気持ちの情熱、何を見せたいかの明確化、このあたりがシステムとして出来上がっているわけですね。

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