もはや国や法律の出番なのか
世間では、文部科学省が教育委員会より上だという認識がある。
しかし、現実、教育委員会は独立した組織であり、文科省の指導はアドバイス程度にしか考えてはいない。
一方で、国があまりに力を持ち過ぎれば、教育の偏りの懸念も生じる。だから、一概に国が出張るというのは極論なのだが、各地方の教育委員会があまりに酷いのであれば、そのあり方も含めどこかがまとめを作っていく必要が出てくるだろう。
そのための法律改正なども必要となってくるであろうが、以前、いじめ防止対策推進法改正案で文教族のトップである馳議員の試案のように、骨抜きのザル法ができてしまう懸念もある。
こうした動きは校長会や教育委員会、教職員の組合が政治的な動きに敏感であり、いざとなれば、改正案を骨抜きにしたり、後退させる事もできるという事であり、法改正や新たな法は危険を伴っているのだ(もはや今期にいじめ法改正案は出ないであろうというのが大方の予測である)。
すると、どうか?
これは私の個人的な意見でもあるが、今こそ保護者や地域の住民が、それこそ、レインマンコントロールを使い、本来の教育委員会にすることが現実的なのではないだろうか。
何処かの誰かにヒーローになってもらう必要はない、我が子のこと、地域で見ている子どもたちのこと、大人がもっと真剣に向き合って、行動を示してこそ、真の教育が実現できるのではないかと思う。
編集後記
阿部は、いじめ探偵は、教育界の敵である。
このように言う教育界の方々もいます。きっと何かやましいことがあるのでしょうね。
一方で、私を家庭教育講座の講師に招いたり、講演を依頼する方々もいます。教育界も広く、人もたくさんいますから、考え方はそれぞれなんですね。
私の立場を表明すれば、私はフラットな立場であることを前提に考えています。事実を調べ、冷静に判断するためには、どちらかに肩入れをしていてはできません。
調査自体が無償であることも、金員的な利害関係を持たないということで、私は何かにコントロールされることはありません。
ですから、目的遂行行動をしていて教育管理や運営としての存在が機能している教育委員会は必要だと最後に記しました。
例えば、広島県教育委員会の平川教育長は市立中学校の民間校長出身ですが、オランダのイエナプランを研究したり、県内すべての学校を視察するなど、斬新な行動を取っています。
市立中学校の校長時代も、不登校の生徒が自由に通えるプランを打ち立てたりと、それまでの教育界では想像もつかなかったであろう体制を実現し効果を上げています。
きっと、県内の市教育委員会や県教育委員会の中でも時代の潮流に遅れた教育制度を根拠なく支持する教育界の化石からの反発に苦労していることでしょうが、こうした教育者がいることも事実であるのです。
中間期末などのテストを廃止したりして、学習意欲を高めることに成功した学校もありますから、現代の教育問題に真っ向から立ち向かっている教育者はまだまだいるのです。
文科省にある中央教育審議会の答申では、教育制度に地域住民の参加など開かれた学校についての推進が、ずいぶん以前から出されています。教育は特殊な教育委員会の事務局のみではなく、もっと開かれたものでなければ、時代に取り残されてしまうのです。
時代遅れの安全性を欠いた教育制度の被害者はこれからの子どもたちだということを忘れてはなりません。
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image by: KenSoftTH / Shutterstock.com