いや、話の流れによっては、北一流のやり方で米と南を再度煙幕に巻き込み、やりたいことをやり続けるというシナリオもありだけれど、ここはこれまでにも何回も書いてきたが、金正日のときと今の北は、置かれている状況が全く違う。今は経済制裁のために、北は生きるか死ぬかの状態、瀕死の状態なのだ。2019年末までになんとかしてくれと金正恩がタイムリミットを指定した(#224号「金正恩の『警告』と、トランプが初めて口にしたスモールディール」)のも、今の北の瀕死の状態ということと無関係ではないと考える。
米朝の実務者交渉がすでにはじまっているという報道もある。いかなる流れになっていくのか。ポンペイオやボルトンの主張する「一括妥結式ビッグディール」でずっと行くのか。あるいは「スモールディール」つまり段階的・順次的制裁解除で行くのか。あるいはさらに、核廃棄ではなくて核凍結をも視野に入れて米朝が交渉していくことになるのか。次のメッセージがでてくるまで、まったくわからない状況となった。
トランプとの53分会談が終わった後、金正恩がなぜあんなにニコニコモードになっていたのか。53分会談の内容が非常に気になるところである。
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