自分の考え方や信念を貫くのはなかなか難しいもので、特に会社組織の中では多数派の意見に「流されてしまう」方も多いのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』では著者の佐藤しょ~おんさんが、多数派の意見を武器に抵抗してくる部下や同僚と対峙する際の具体的なノウハウや、その心理の裏側を解説しています。
みんなが言ってるに欺されるな
民主主義の特徴に多数決があるんですが、我々戦後に生まれてずっとこの価値観の中で生きていると、無意識に、
■ 多数の意見は正しいものなのだ
と考えてしまうんですね。確かに大数の法則などを見ると、多数派って正しいように感じてしまいます。
ところがビジネスの世界で、これを密かに悪用しようとする人がいたら、これは要注意でそんな扇動に乗せられちゃいけないんです。それが端的に分かるのが、
■ みんなが○○と言っています
というセリフです。部下や同僚がこのセリフを言った時には、アラートを鳴らして、ガードを上げなきゃいけませんよ。これは暗に、自分の意見や考えを通すための戦術として言っているに過ぎないんですから。これは私だけの意見ではなくて、他の人も同じように言っているんです。だからこれは正しいのです、と言ってるわけです。
そのことの是非はおいておいて、このセリフを聞いたあなたが確認しなきゃならないのは、
● みんなって具体的に誰と誰と誰なの?
なんです。経験上、ほとんどのケースで、これを言われたら即答で名前が出て来ません。えっと確か○○部の××さんが…みたいな回答になるんですよ。
そうしたらすかさずその場で、その本人に確認をとらなきゃいけません。
これを繰り返すんです。で、他には誰が言ってるの?みんなって言ったよね、まさかたった一人しかいないってことはないよね?と、これくらいは言わなきゃなりません。
本当にそういう意見がたくさん出ているのであれば、「みんな」という抽象名詞は使わず、どこの所属の誰が、と固有名詞で言うはずなんですよ。その中で最も地位が高い人の名前が真っ先に出て来るはずなんです。まさか新入社員の名前が出て来るなんてことは、ないんですから。
「みんな」という表現は、新入社員が言ってたというのよりも始末が悪い語り口でして、こんなものに欺されて自分の意見を変えてはいけません。
ちなみにここで具体的な名前をほじくりだすことで、そういう表現をする人の仲間というか、つるんでいる人たちが塊で芋づる式に出て来ますから。そこで炙り出された人たちは、これからもあなたの政策、施策に陰に陽に抵抗する人たちだと理解しておくべきでしょう。
そもそもビジネスは多数決ではないのです。何人があなたの意見に反対していようが、それが正しいことならば、やり遂げなきゃならないのですよ。この場面というのは、それを理解させる絶好の機会でして、そもそもそういう物言いをする人というのは付和雷同的で、自分の信念を持っていない人なんですから、これをビシッと撥ね除けることが必要なんです。
一度これをやると、あなたのスタンスが伝わり、同じような物言いをする人がいなくなるんですが、一度でもこれであなたの考えを変えてしまうと、与しやすしと考えられて何度でも同じ手を使ってきますからね。だから最初の一回目で、ビシッと突っぱねなきゃならないんです。
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