「顔はその人の人生や心を映す鏡」と言われますが、「観相学」と呼ばれる学問の観点からすれば、それは至極当たり前のことのようです。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、達磨大師の「観相学」の研究者として知られ、2014年、惜しまれつつも91歳で亡くなった藤木相元さんによる解説が紹介されています。
顔相を変え運命を高める、「顔と運と人生の法則」とは??
顔からその人の素質や性格を割り出す「観相学」で知られた藤木相元さん(故人)。達磨大師が説いた教えを60年以上にわたって研究してきた第一人者でした。藤木相元が語る、脳をうまく使うことで顔相を変え、運命を高める、「顔と運と人生の法則」とは?
達磨大師は、「肉体は脳の影、現象は心の所見」といっています。脳には「脳相」があり、これが「顔相」になって現れるのです。
これを受けて嘉祥大師は、「人生を左右するものは『運』であり、その運を支配するのは顔である。そしてその顔を作り上げるのは『脳』である」という理論を打ち立てました。
私の主宰する「嘉祥流観相学」は、この理論を基に脳と顔と運の因果関係を科学的に解明し、観相学を占いのような統計学ではなく、自然科学の学問として方程式化したものなのです。
人の顔や体は、遺伝子によって土台が作られますが、脳はおよそ20年かけて完成します。その人物がどういう環境に育ったか、どういうことを学んだか、どういうことを考えたかによって、およそ20年かけて相を形成し、これが顔相に影響を与えるのです。
例えば、小さい頃から「聞こう、聞こう」と脳が意識する機会が多いと、耳の血流が増え、次第に耳が大きくなっていきます。地獄耳といわれた松下幸之助さんの耳は当然大きかったし、幼少期に「人質に出されるのでは」とおびえていた徳川家康の耳が大きかったのも、大人の話に耳をそば立てていたからといえます。
自己主張が必要な環境に置かれ続ければ、多く言葉を発しようとして口が発達します。勉強や仕事など、何かに一所懸命打ち込むと、前頭葉が活性化しエネルギーが発生するので、額に汗をかき毛根にダメージを与え、結果、額が広くなります。
目や鼻、眉の細部に至るまで、脳の指令が働いていないところはありません。つまり顔を見れば、その人物のルーツから性格や育った環境、それまでの歩み、そして今後の運など、すべてがわかるのです。
まず、いい脳をつくるには、やっぱりいい顔、楽しい顔をすること、その根本はホラを吹くということです。ホラとはドリームのことを指し、夢を持つ人間はいい顔をしている。
しかし逆に、脳がアンラッキーな思考をしていると、顔もアンラッキーになる。例えば、何か失敗をした時に、「しまった」と思ったら、アンラッキーな顔に。結果はどうあれ、「楽しい」と思ったら、気分が高揚して顔に光が入る。
要するに顔はすべて脳が作用する。逆に、脳も顔から刺激を受ける。
明るい、いい顔をして鏡に向かっていれば、脳がどんどん磨かれていきます。もう、おんなじことなんです。脳相一致と言いましてね。両方が一致している、と。脳科学の力によって、額から目から眉から耳から口からすべて分析ができるし、これらのことはすべて脳が作用しているんです。
※本記事は『致知』2004年12月号、2013年10月号より一部を抜粋・編集したものです。
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