トランプ大統領に危機。親しい友人が少女らの人身取引容疑で起訴

 

問題は、エプスタインと一緒の大人の女性です。この女性ですが、実は20世紀末の欧米で「メディア王」として鳴らしたロバート・マックスウェルの末子(9番目の子供」であるギスレーヌ・マックスウェル女史(現在57歳)です。 このギスレーヌ・マックスウェルですが、まずエプスタインの愛人であったのは間違いないようです。但し、エプスタインは少女性愛の病癖があるので、ギスレーヌは、愛する男性のためにその幇助をしていた共犯という可能性があります。

その一方で、父親のロバート・マックスウェルというのは、ルパート・マードックのライバルとして、マクミラン社などメディアの企業帝国を築いていたのですが、資金繰りに行き詰まる中で、1991年に地中海で事故死したとされています。 ただ、このマックスウェルの死については、マックスウェルがモサドの工作員だったが、裏切ったので殺されたなどの噂が多数あります。但し、私個人はこの時期にマックスウェルを相手としたMA案件に関与していた経験があり、その際の経験を踏まえると、どう考えても個人で裏金を含めた資金繰りをやっていたマックスウェルが金策尽きて自殺したという考え方が一番自然と思っています。

ところが、その晩年のマックスウェルは、個人的な金融アドバイザーとしてエプスタインを雇っていたらしく、またその際に父親とエプスタインの連絡係をやっていたのが、ギスレーヌだというのです。 では、マックスウェル帝国が総帥の死によって崩壊したのちに、どうしてその後もエプスタインは負債と無関係でいられたのか、兄たちが負債を相続して破滅していった一方で、ギスレーヌはどうして生き残ったのか…謎は山のようにあるわけです。

私には正解はわかりませんが、問題の元凶として1つはマクスウェルの死因、2番目にはマクスウェルの残した最低でも4億ポンド(530億円?)という巨額の負債から、エプスタインとギスレーヌがどうして逃げおおせたのか、3番目にはそのエプスタインが少女性愛の悪癖があり、それを惚れた弱みでギスレーヌが幇助していた可能性という3つの謎が絡まっているように思うのです。 そこに何らかの闇があるのに加えて、トランプが違法行為に絡んでいた可能性もゼロではありません。もしかしたら、某国の諜報機関が、こうした謎の全てに絡んでいるのかもしれません。ちなみに、エプスタインは、ビル・クリントンとの交友関係もあり、このルートも怪しさがプンプン漂います。

本日はここまでにしておきますが、最初に指摘したエプスタインの「保釈」については、私はやめておいた方が良いように思います。証拠隠滅とか、逃亡という問題もありますが、この問題、余りにも闇が深すぎるので、拘置所で保護しておいた方が良いと考えるからです。

image by: Frederic Legrand – COMEO / Shutterstock.com

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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