各所に影響を及ぼし始めて久しい少子化ですが、ビジネスの現場でもその大きな波は無視できない状況となっています。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では著者の梅本泰則さんが、スポーツショップの外商を例に取り、厳しい状況下における新規開拓セールスを成功に導く6つのステップを紹介しています。
外商に戦略を
以前、外商専門のスポーツショップから尋ねられたことがあります。
「今後、外商だけで生き残る方法はあるでしょうか」。
心配はごもっともです。スポーツショップの外商は、学校や自治体を主なお客様にしています。体育の授業で使うスポーツウエアやシューズを毎年納めているお店にとっては、一度に売上が出来ますので、ありがたいお客様です。
それだけではありません。スポーツの部活にもさまざまなスポーツ用品を納めています。毎年新入生が入部してくるので、取引が続く限り売上が読めるのです。スポーツショップにとっては、ありがたい商売になります。
ところが、最近日本で起きている少子化の波は外商中心のお店にとって、大きな問題です。学生が減るだけでなく、学校そのものが減っていっています。ですから、先のお店のような心配が出てくるのは当然です。あなたのお店にとっても、他人事ではありません。大きな売上ではありませんが、それなりに外商のお客様があります。どうしたらいいでしょう。
そこでお尋ねします。あなたのお店では、外商活動に対する戦略をしっかりと考えていますか?もしかしたら、今までと同じように、注文の取りやすい学校だけを回ってはいないでしょうか。また、新規でのお客様をつかむ場合、メーカーさんや問屋さんに紹介されたチームばかりを攻めてはいませんか。つまり、何か行き当たりばったりの営業活動をしているのではないか、ということです。
もしもそんな状況ならば、すぐにでもしっかりとした営業戦略を立てることが必要です。それが、外商で生き残る道につながります。では、どんな営業戦略を組み立てたらいいでしょうか。
外商の営業戦略
これは、親しいメーカーさんや問屋さんの営業マンに聞くと、その手法を教えてくれるかもしれません。彼らは、営業のプロとして会社から教育を受けています。その方法はお店での接客販売とは全く違ったものです。
ご存知のように、営業にはルートセールスと新規開拓セールスがあります。ルートセールスは、すでに信頼関係が出来ているお客様への営業活動ですので新規開拓ほどはむつかしくありません。問題は、新規開拓です。時間をかけてお客様に入り込み、成果をあげなければなりません。そのために行う営業戦略が、「分析、選別、進捗管理」です。
おそらくあなたのお店では、この方法は無意識に行われていることでしょう。しかし今後は、計画性と継続性を持った意識的な新規開拓戦略を打ち立てる必要があるのです。その方法は6つのステップに分かれます。それは、
- 自店分析
- 競合店分析
- ターゲット選定
- 訪問・商談開始
- 進捗状況チェック
- 今後の方針決定
です。言ってみれば、PDCAサイクルですね。順番に説明しましょう。
「自店分析」とは、自店もしくは外商担当者の販売エリアにどのくらいの数の学校やチームがあるかを調べることです。地区ごとの学校名と全校生徒数、そして部活ごとの人数を一覧表にします。
「競合店分析」では、自店分析で調べられた学校、チーム、部活ごとに取引をしているスポーツショップ名を一覧表に書き込みます。これで、自店の活動状況と競合店が明らかになりました。
次は「ターゲット選定」です。先の一覧表で明らかになった競合店と取引のある学校やチームの中で、どこを優先的に攻めていくか決めていきます。これは、外商担当者が持っている情報をもとに決めると良いでしょう。それが済んだら、いよいよ訪問開始です。