裏切りの韓国。すり寄る中ロや北にもソデにされる文政権の断末魔

 

今回の件で異例づくしなのは、今回、在韓米軍は一切反応していません。もちろんこの海域での行動は、すべて米軍は監視しており、今回のインシデントについてもかなり高い関心を持っているようです。日韓の間で争う竹島の領有権問題からは外交上、明言はしないにせよ、日米韓の同盟関係が確固たるものであるのならば、中ロの行為に対して、同じくスクランブル発進して対峙する行動に出るはずです。これも、読みすぎかもしれませんが、対韓国の態度変化の表れと理解できるかもしれません。もしかしたら竹島をめぐる問題でも、アメリカが日本側の主張を100%公にサポートすることになるかもしれません。

アメリカの韓国に対する態度および信頼度合いの変化は、ペンタゴンの関係者の発言からも見て取れるかと思います。その方いわく、「韓国の言い分・主張は全く信用していないので、何を言おうと聞き流すだけだが、どうして中ロが初めてこの海域で合同パトロール活動を行ったのか、その意図には非常に関心がある」とのことですし、別の幹部いわく、「最近、韓国サイドの過剰反応が顕著になっている。警告射撃に360発というのも異常であるし、すぐにその事実をなかったことにする体質には、まったく信用を置くことはできない。韓国は一体、何がしたいのだろうか?日米、中ロを怒らせて、どうするつもりなのだろうか?」という懸念がトランプ政権内に渦巻いており、それはトランプ大統領も共有しているということです。

そこで何が起きうるか。ご想像に難くないと思いますが、日米中ロ、そしておそらく北朝鮮も、韓国を自国の利益から切り離すという動きに出るのではないかと思われます。その結果、安全保障面では完全に孤立することになります。アメリカの北東アジア地域における安全保障体制にケチをつける限り、在韓米軍の完全撤退も現実味を帯びてきますし、中ロへの威嚇行為はまさに自殺行為です。

そして、昨年の自衛隊の哨戒機へのレーザー照射事件も未解決です。さらに、接近を試み、民族念願の朝鮮半島統一を夢見た北朝鮮との融和も、現在、金正恩体制はアメリカのみを相手とし、文大統領がちょろちょろ動き回ることを邪魔だと考えているため、利用されるだけされて、利用価値が無くなったら敵視するか、日米の後ろ盾がなくなった韓国に何かしらの武力行使があるかもしれません。

経済面では、最近は日韓の間の輸出管理上の措置の適用問題が取り上げられますが、それ以前に欧米各国から韓国企業は敬遠され、かつ各国から韓国への投資も落ち込んでいます。半導体の問題では、中国は日本の肩を持つという異例の事態ですし、アメリカのトランプ大統領も、仲介役を引き受けることはないと考えられます。通貨ウォンも安値が止まりません。まさに四面楚歌の状態です。

文大統領とその政権の非常に近視眼的な、その場しのぎの対応が、ここになっていろんな面で火を噴いています。その最大の被害者は、彼を大統領に選んだ韓国国民でしょう。彼らがどのように動き、それをどう北東アジア地域に利害を持つ各国が評価するのか。しばらく目が離せません。

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世界各地の紛争地で調停官として数々の紛争を収め、いつしか「最後の調停官」と呼ばれるようになった島田久仁彦が、相手の心をつかみ、納得へと導く交渉・コミュニケーション術を伝授。今日からすぐに使える技の解説をはじめ、現在起こっている国際情勢・時事問題の”本当の話”(裏側)についても、ぎりぎりのところまで語ります。もちろん、読者の方々が抱くコミュニケーション上の悩みや問題などについてのご質問にもお答えします。

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