8月を迎え、本格的な夏の観光シーズンが到来しました。令和最初の夏休みは、大人が憧れる地・京都で行われる七夕まつりに足を伸ばしてみるのはいかがでしょうか。今回の無料メルマガ『おもしろい京都案内』では著者で京都通の英学(はなぶさ がく)さんが、まだ歴史は10年ほどと浅いながらも見どころたっぷりの「京の七夕」を詳しく紹介してくださっています。
京の七夕
8月前半の京都観光は「京の七夕」がおすすめです。
● 京の七夕
京都では毎年この時期になると堀川や鴨川などを舞台に光のイベント・七夕祭りが行われます。竹と光で演出される「天の川」や「友禅流し」などはまさに京都ならではのイルミネーションです。他で見るイルミネーションとは全く違った雰囲気があり美しく、浴衣姿で訪れるとより一層テンションは上がるでしょう。
2019年の「京の七夕」は8月1日(木)~15日(木)の期間にわたって実施(各イベントで異なる)。点灯時間は午後7時~午後9時30分まで。
「京の七夕」は京都の夏の夜を光で彩るイベントです。それも7月ではなく8月に行われ、今年で10年目を迎えます。旧暦の七夕にあわせて、≪願い≫をテーマに毎年8月に京都市内で行われています。
京都のイベントとしてはかなり新しいものですが、その美しさから今や全国的に大人気のイベントになりました。
鴨川の河原を彩る幽玄の世界、光のペイジェントは芸術的でとても見応えがあります。
そして二条城などのエリアを含む堀川会場では、堀川遊歩道(押小路通~元誓願寺通)に沿って「光の天の川」を楽しむことが出来ます。
堀川会場
竹で作られたトンネルに無数のLEDが散りばめられています。青白く浮かび上がる「光の天の川」は見る者を圧倒します。一見の価値ありです。
また京友禅を川に流し光の演出を使って堀川の水面に浮かびあがらせる「光の友禅流し」も風情が感じられてとても素敵です。
京友禅は清らかな水でないと鮮やかな色が出ないのが特色で、昔は鴨川や堀川で友禅流しを行っていました。しかし高度成長期に工業用廃水を河川に流すなど公害が懸念されはじめます。そして昭和46年に制定された水質汚濁法によって、河川での友禅流しが禁止となりました。その友禅流しが光のアートによって現代に蘇らせたのも「京の七夕」の見どころでもあります。
堀川遊歩道に沿って、置かれた「メッセージ行灯」や、竹と光のコラボ作品など数多くのアート作品を眺めることが出来るのも魅力です。
鴨川会場
鴨川会場の舞台は四条大橋~御池大橋までの鴨川沿いにあります。こちらの見どころは鴨川の河原を幻想的に彩る光のオブジェ「風鈴灯」です。球状に編んだ竹かごの中に、清水焼の風鈴が入っています。それを内側からライトで照らします。これがまたとても涼やかな音色で耳に心地よく響きます。柔らかくて幻想的な光が沢山浮かび、はんなりとした京都らしい雰囲気に包まれます。
鴨川に向かって張り出した「納涼床」の明かりと、「風鈴灯」の光のコラボを見ながら京情緒を楽しむことができます。
京都らしい風情を感じさせるこのイベントの主人公は、一人ひとりの願いです。
毎年全国からあらゆる「願い」を募り、絵はがき短冊に願いを書いて、笹に飾りつけることもできます。寄せられた「願い」は五山の送り火や清水寺でのお焚き上げで天に届けられることになっています。
絵はがき短冊の売り上げの一部は東日本大震災復興支援に役立てられています。
- 期間/2019年8月1日(木)~15日(木)
- 点灯時間/19:00~21:30(最終入城/21:00)
- 場所/元離宮二条城(京都市中京区二条城町541)
- 入城料/一般600円、中学・高校生350円、小学生200円
- 問い合わせ/二条城夏季ライトアップ事業委員会 Tel.075-213-0020
- 期間中の問い合わせ/二条城事務所 Tel.075-841-0096
● 参考動画「京の七夕」
image by: 京都フリー写真素材集