ドイツでも…
川口マーン惠美さんは、現代ビジネス8月16日号で、「ドイツで日韓対立はどう報じられているか?」について書かれています。
日本の主張には触れないまま
断っておくが、ドイツは韓国を元々ホワイト国には入れていない。しかし、一般のドイツ人は、そんな話とは無縁だし、これらの記事でももちろん触れられていない。つまり、ことの次第がちゃんと説明されているとは言い難い。また、日本の主張には全然触れないまま、「日本は、この決定は安全保障上の懸念によるものだと言っている」で済まされている。これでは、どう見ても、強い日本が弱い韓国に対して理不尽なことをしているようにしか取れない。
これ、川口さんは、「ドイツメディアが悪い」ということなのでしょう。しかし、私は、日本政府の問題だろうと思います。
「日本は、この決定は安全保障上の懸念によるものだと言っている」
確かに、日本政府は、こういっています。そして、「それ以上のことは何もいっていない」。そうではないですか?もし日本政府が、具体的事例をあげ、韓国政府のリストを見せ、このままの状態をつづけたら、世界がより危険な状況になることを丁寧に説明したら?ドイツのメディアだって、日本政府の説明を書くことでしょう。
しかし、日本政府は、「日本は、この決定は安全保障上の懸念によるものだ」としかいっていません。これ、アメリカ人もドイツ人も、「わけわからん」となります。
そして、そのあと、「この喧嘩の裏には、20世紀前半の強制労働の問題が潜んでいる」となり、こちらは、やけに詳しく説明がなされている。日本が1910年から45年まで朝鮮半島を植民地としていたこと、昨年10月に韓国の最高裁で、日本製鉄(元・新日鐵住金)と三菱重工に、当時の徴用工に対する賠償金支払いの判決が出たこと。つまり、これが真の原因と思える書き方だ。
これは、韓国の方が情報戦が一枚上手ということですね。日本は、黙っていて、何の説明もしない。しかし、韓国は大騒ぎして、説明もきちんとするので、韓国側の方が説得力があるのです。
しかしながら、1965年、日韓の間で「日韓基本条約」が締結されたことについては一切触れられていない。これにより、日本の韓国に対する無償3億ドル、有償2億ドル、さらに民間借款3億ドルという破格の経済協力が決まり、また、両国の請求権に関する問題も完全かつ最終的に解決され、国交正常化が実現したことについて、解説がまったく無いのである。その代わり、「日本側は、それは1965年に解決済だと言っている」と一言あるだけだ。
これも、同じですね。日本政府が、「1965年に解決済みだ」というので、ドイツメディアがそう書いている。日本政府は徴用工問題について解説する時、日韓基本条約について、毎回丁寧に解説しなければダメです。できれば、毎回原文を読んで、英訳を記者に渡して、日本の正しさを主張しなければならない。川口さんが書いていることを、毎回毎回、外国人記者が暗記するくらい繰り返して説明しなければならない。
「1965年に解決済み」って何ですか?
外国人はわけがわからないから、韓国の味方になってしまうのです。川口さんの記事全文はこちら。
● 韓国・文在寅の「反日」政策をドイツメディアはどう報じているか
今からでも…
本当に、日本政府の情報戦の弱さ、稚拙さには腹が立ちます。どう考えても圧勝できそうな戦いすら、見事に負け戦にするのですから。心を落ちつけて、これからどうすべきなのか書いておきます。
- 徴用工問題と輸出管理強化、ホワイト国除外などを結びつけてはいけない。シラを切りとおす
- なぜ日本が上の措置をとったのか、一言で終わらせず、毎回きっちり解説する
- 日本から韓国に輸出された戦略物資が、シリアやイランに流れ、化学兵器などの製造に使われる可能性があることを、毎回強調する
- 韓国政府が発表した、156件のリストを英訳し、毎回配布する
今からでもやってください。お願いします。慰安婦問題で負け、南京大虐殺でも負け、景気よく始めた日韓戦争でまた負けるのですか?
ちなみに、日韓戦争、今後の見通しはどうなのでしょうか?経済戦争では、日本が圧勝できるでしょう。というのは、日本の方が図体がでかい。日本のGDPは世界3位、韓国は12位。日本の経済規模は、韓国の3倍以上です。だから、これはジャイアントとのび太の戦いで、日本が勝てます。
しかし、情報戦で、日本は負けつつあります。経済戦で勝つことも大事ですが、それで、日本が世界で「悪役」になったら、意味ないですね。日本政府は、がんばって挽回して欲しいと思います。
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