高笑いの文在寅。韓国側の情報戦に負けた日本が「悪役」になる日

kitano20190820
 

日々悪化する日韓関係。韓国政府は7月10日の時点で「日本からの輸入品を中東に再輸出していた事実」を認め、軍事転用を懸念する日本の輸出規制の理由となりましたが、欧米諸国にはそれらの事実は正しく伝わっていないようです。国際関係ジャーナリストで、無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者・北野幸伯さんは、その原因は日本の稚拙な情報戦略にあると指摘するとともに、改善策を記しています。

対韓国、予想通り【戦術的ミス】の影響がでてきました

日韓関係最悪になっています。

日本側の措置について、しばしば意見を求められます。それで、メルマガで「戦術的問題と戦略的問題がある」と書きました。まだ読んでない方はこちら。

どんなに腹立たしくとも。韓国と日本が国交断絶してはいけない訳

今回は、戦略的問題については、触れずにおきましょう。戦術的問題とは何か?私は二つ指摘しました。一つは、「徴用工問題」の報復として「輸出規制を強化する」というのは「とてもまずい」ということ。「徴用工問題輸出規制全然関係ない問題ですから。

しかし、日本政府は初動で大きなミスをしました。日本政府もマスコミも全国民も、「これは徴用工問題への報復だ!」と知っている。実際、日本政府高官もそう発言し、全マスコミがそう報じていました。私は、これはダメだと書きました。そのせいとは思いませんが、事実として最近は、「徴用工問題への報復ではない政府高官はいっています遅すぎですが…)。

二つ目の「戦術的問題」は、政府の説明が全然説得力がないことです。日本政府は、「安全保障上の管理の見直しとか不適切な事例があった」とかいっています。しかし、これ、何の説明にもなっていません。外国人の記者が聞いてもわけわかんないですね。

きちんと、「日本から韓国に輸出した戦略物資が、イランやシリアなどに流れている。このことは、韓国側も認めている事実です。日本が韓国に輸出したものが化学兵器に使われる危険性もあるので、輸出管理を厳格化せざるを得ない」と毎回いう。そして、毎回、証拠として以下の記事を英訳して配らなければならない。

読売新聞オンライン 7/11(木)11:40配信

【ソウル=岡部雄二郎】韓国の産業通商資源省は10日、軍事転用が可能な戦略物資を違法に国外輸出したとして摘発された業者の事例が、2015年~19年3月に計156件に上ったと発表した。産業通商資源省が韓国の野党議員に開示した資料によると、この中には、イランやシリアなど、北朝鮮と関係の深い国に輸出されたケースも含まれていた。資料によると、イランには2017年12月と19年1月、サリンの原料にもなるフッ化ナトリウムなどが輸出された。シリアには18年3月、生物・化学兵器の実験などの際に外部の汚染を防ぐための設備「生物安全キャビネット」が輸出されていた。

本当は、リスト自体を入手して英訳して毎回記者に配った方がいい。そして、各国政府にも、リストを見せながら説明しなければならない。ところが、日本政府の解説は日本人が聞いても外国人が聞いてもわけがわかりません。それで、私は、以下のように書きました。

皆さん、「日本は韓国に圧勝だぜ!」と思っていませんか?普通に考えればそうでしょう。しかし、日本政府の稚拙な説明のせいで、また国際的に日本が【巨悪】になる可能性がある。日本は、WTOで、「なぜ輸出規制をしたのか?」説得力のある説明をできない状態なのです。これが、【 戦術的問題 】です。

実際、何が起こっているのか、見てみましょう。

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